備前焼個展後のビストロカフェ

 友人のご子息で、備前焼陶芸家の曽我尭(たかし)氏の個展を見に行った。会場は東京・青山の「備前焼ギャラリー青山」。先日案内が届き、グズグズしているうちに最終日直前となってしまった。慌てて、お江戸で修業中のキオを呼び、ウマズイめんくい村からヨッコラショと表参道まで出かけた。曽我尭氏は約300人ほどいる備前焼作家の中でも注目の若手陶芸家。
              曽我尭展②  
              曽我尭展(備前焼ギャラリー青山で)

作品には若さといい意味での野心を感じるが、見事な花器や大皿、小皿、ぐい呑みなどの世界にしばし浮世を忘れる。根津美術館近くはいい骨董屋があり、沖縄の古美術専門店「観宝堂」で見た壷屋焼は借金してでも手に入れたくなるほどだった。おっと、危ない。京都の念力仙人に「素人は手を出してはいけませんよ」と言われそうなので深入りはしない。仙人は自分も大変なのに宮沢賢治状態で、東奔西走しているようだ。
              ニドカフェ① 
              ニドカフェ

その後に食べたランチが当たりだった。表参道駅から青山通りを外苑前方面へ100メートルほど歩いたところ。南青山パティオビルの3階にある「ニドカフェ」。カフェというよりパリのビストロのようで、「骨付き鶏ももの肉とジャガ芋、レンズ豆の煮込み」(税込み1080円)が予想外に旨かった。サラダとパン、ドリンク付き。場所柄を考えると高くはない。むしろ安い。
              ニドカフェ③  
              隠れビストロ

「よくこんな店を見つけたわねえ。スイーツ類も美味そう」
キオが気に入ったようで、珍しく尊敬の眼差し。むふむふ。村長の極秘情報シンジケートは日本一円に及ぶのだ。実体はスカスカだが。
「食べることへの情熱には関心というよりあきれるわ。しかも客は女性ばかり」
村民2号が見えない吹き矢を放つ。
              ニドカフェ5  
              メニューの一部

キオは「仔羊肉の欧風カレー」(同)を選んだが、村民2号はなぜか村長と同じもの。村長はいい気になって、ドリンクをグラスワイン白(プラス200円)にした。7~8分ほどでサラダとグラスワインが登場。さらに10分ほどかかってメーンの「骨付き鶏ももの肉とジャガ芋、レンズ豆の煮込み」がいい匂いを放ちながらやってきた。
              ニドカフェ⑤ 
          サラダとパン、ついでにワイン
              ニドカフェ⑥ 
              メーンの登場

サラダは鮮度のいいサニーレタスが多めに盛られ、好感。パンはバゲットが2切れ。グラスワインは予想よりグラスが小さい。ここは当て外れ。だが、メーンが期待を超えていた。柔らかく煮込まれたレンズ豆とメイクイーンの上に鶏のもも肉がどっかと乗っていた。意外にデカい。パセリが細かく散りばめられている。本格的ビストロ。
              ニドカフェ⑦ 
              うむむ

鶏もも肉が驚くほど柔らかい。味付けは塩だけではないか。シンプルな美味。それにレンズ豆のほどよいふくよかな塩加減とメイクイーンのしっかりとした歯ごたえが絶妙で、鶏の出汁が料理全体に十分に行き渡っている。コックの腕がいいようだ。
              ニドカフェ⑧ 
              何を考える?
              ニドカフェ⑨ 
              柔らかな技術

鶏もも肉はボリュームがあり、そのジューシーな旨味に舌鼓を打ちながら食べ進む。至福の時間。あっという間に食べ終えると、満足感がジュワリと胃袋から脳天へと広がっていった。BGMはボサノバからシャンソンに変わっていた。
              ニドカフェ10 
              シンプルな美味

「さっき女性スタッフに聞いたら、鶏もも肉は4時間も煮込んでいるらしいわ。旨いはずよ」
「子羊の欧風カレーも旨かったわ。窓から見える景色もいいし、落ち着く店だな」
 
南青山でいい隠れ家を見つけた思い。ふと、最近、周囲で起きている様々な出来事が頭をかすめた。一寸先、何が起きるかわからない。何ができるか、何ができないか。ウマズイめんくい村にも暗雲が立ち込めている。これから自分に何ができるだろうか? 無事を祈りながら、窓から広がる風景をボーと眺めるのだった。一寸先は闇・・・。

本日の大金言。

ふと人生を考える。生と死を考える。食べる意味を考える。幸せと不幸を考える。答えはすぐには出ない。「普通が一番」藤沢周平の言葉が闇の底から灯りとなって浮かんでくる。





                           ニドカフェ12 


 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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