サボテンの花と老舗きんとん饅頭

「すごいことが起きたわよ。サボテンの花が二つ同時に咲いちゃった。こんなの初めて!」
花好きの村民2号が興奮気味に飛び込んできた。
花にはまったく興味のない村長は、東京新聞を読みながら、日本の行く末を案じていた。

首相の想像力の欠如、庶民の力を甘く見てる暗い目つき、取り巻きのひどさも目に余る。彼らは絶対に戦場には行かないし、責任も取らない。だから、声高にわめくんだ。歴史は繰り返すのか? 新国立競技場の問題もひどすぎて、ギャグだと笑ってられない。どこかの独裁国家と変わらない。自己保身が独裁者を作る。一体いつからこうなっちまったんだ? 山本七平「空気の研究」がよみがえる。
              サボテンの花2 
              奇跡か?吉兆か?

そんな悪い連想がサボテンの花にパチンと打ち砕かれた。紅と白の見事なサボテンの花が確かに咲いていた。村長も初めてみる光景。これは吉兆か?

お祝いに珍しい和菓子を食べることにした。埼玉・大宮駅の「うまいもの展」で手に入れた「きんとんまんじゅう」(5個入り440円)である。栃木県宝積寺駅前に本店がある「朝日屋本店」の名物まんじゅうで、大正以来同じ製法で作り続けているもの。白インゲン豆のつぶしあんというのも珍しいし、砂糖が砂糖大根から取った甜菜糖(ビート)しか使っていないというのもレアである。
              きんとんまんじゅう 
              お祝いにきんとんまんじゅう

渋茶を入れてから包みを解く。平べったい白まんじゅうで、皮は薄皮、やや黄色みがかっている。触れただけでそのデリケートな柔らかさが伝わってきた。二つに割ると、白インゲン豆の甘い風味が立ち上がってきた。こしあんではなく、つぶしあんというのは白あんの世界では珍しい。まさにきんとん、である。それがかなり多めに入っていた。
              きんとんまんじゅう③ 
              珍しいまんじゅう
              きんとんまんじゅう④ 
              薄皮の柔らかさ
              きんとんまんじゅう⑤ 
              たまらん裏側

口中に入れた途端、穏やかで柔らかな甘みが広がった。白インゲン豆のきれいな風味が薫風となって鼻腔へと抜けていく。塩が使われていない。皮の存在はほとんどない。白インゲン豆を引き立てるためにだけあるようないぶし銀の薄皮。昔の人のグルメ度を想う。素朴な、柔らかな美味という他はない。
              きんとんまんじゅう⑦ 
              白インゲンのつぶしあん
              きんとんまんじゅう⑧ 
              絶妙なつくり
              きんとんまんじゅう⑨ 
              大正の美味

朝日屋本店は明治30年(1897年)創業の老舗で、栃木県内にいくつか店舗展開もしている。
「サボテンの花のお祝いにきんとんまんじゅうとは、村長らしいわ。私だったらチーズケーキにコーヒーかな」

「このところ心配なことが多すぎる。友人知人にもいろんな災難が降りかかっている。このサボテンの花のニュースを届けたいよ」
「大丈夫、きっとよくなるわよ。サボテンの花言葉には燃える心とか偉大とか枯れない愛とかいろいろあるのよ」
「へえー、詳しいね。物事はいい方に考える。きっと大丈夫だな」

「でも枯れない愛っていうのはどうかな」
「もう枯れちゃってるのに、なあ」
「頭の毛だって、ね」
「・・・・・・」

本日の大金言。

人生はいろいろだが、幸せを願う気持ちはそう変わらない。サボテンの花を眺めながら、72億もの願いと72億人の現実を考える。そのギャップもまた。




                        サボテン2 




 
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花の命は

サボテンの花、いい写真ですね。何かいいことが起きそうな気分になります。世の中がおかしくなってきていて、将来が心配で仕方ありません。すてきなブログ、元気づけられます。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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