魯山人後の仰天カルボナーラ

台風の中、 京都国立近代美術館で開催中の「北大路魯山人の美~和食の天才」を観に行く。小料理屋の女将も「行きたいわあ」と言っていたが、陶器好きの村民2号の意志でもある。魯山人の山師的な(?)天才ぶりに改めて驚かされる。
              京都国立近代美術館 
              いざ魯山人の世界へ

白洲正子は魯山人について上げたり下げたり、あれこれ書いているが、その巧みな言葉も魯山人の作品の前ではほとんど無意味だと思った。白洲の師匠・青山二郎の「電車の車掌みたいな奴」という痛烈な言葉も届かない。「あれこれ言っても、生で見るとやっぱりいいわねえ」と村民2号。制作者と評論家の間にはどうやら深い河がある。

その1階ロビーに「自家製生パスタのお店」という文字が見えた。「和食の天才」を観た後に、生パスタも悪くはない。パスタ好きの村民2号が「ここにしましょ」。「カフェド505」というカフェレストラン。「イタリア製パスタマシンを使った自家製生パスタ」という表記とともに、小麦粉までイタリアから取り寄せていることなどが書いてあった。かなりのこだわりぶり。
              カフェデ505 
              いざ生パスタの世界へ
              カフェデ505③ 
              人気の店

店内はほとんど満席で、ゆったりとしたテラス席まである。ちょうど2人席が空いたので、そこへと案内される。メニューの中から村長は定番の「カルボナーラ~京卵添え~」(税込み980円)を選んだ。麺が3種類あり、その中から一つ選ぶシステム。幅の太い平麺「パッパルデッレ」(イタリア語で食いしん坊の意味)にした。
              カフェデ505② 
              定番でおます
              カフェデ505① 
              3種類の麺

村民2号は「京トマトとオリーブのあさりだしトマトパスタ~ハーブの香り」(同1250円)を選んだ。麺は「抹茶と豆乳の練り込み麺(フィットチーネ)」。この長ったらしいネーミングと過剰な説明、どうにかならないものか。

15~8分ほどの長めの待ち時間。本物の予感。いい匂いと盛大な湯気とともにカルボナーラがやってきた。「熱いですからお気をつけてください」と女性スタッフ。かわゆい。トマトパスタもほとんど同時に到着。
              カフェデ505⑦ 
              カルボナーラさま
              カフェデ505⑤ 
              トマトパスタさま

そのボリュームに圧倒される。イタリア人サイズか? 生卵の黄身が別になっていて、それを乗せてからかき混ぜる。チーズと生クリームと牛乳、卵、それにニンニクの匂いが混然一体となって、テーブルの上で濃密に踊り始める。鼻腔が開きっぱなしになる。「あちちちー」村民2号が声を上げた。慌てる何とかはもらいが少ない? 
              カフェデ505⑥ 
              京卵の黄身を・・・
              カフェデ505⑧ 
              かき混ぜる
              カフェデ505⑨ 
              いい匂い

麺の太さがまるで川幅うどんのよう。デュラムモリナ粉100%だそうで、意味を調べてみたら、デュラムとは小麦粉の種類で、モリナとは粗挽きの意味。そばの世界でいう挽きくるみと解釈することにした。ただそれが驚くほどの幅広麺。カルボナーラソースを絡めてから口中に運ぶ。粗挽きのせいか実によく絡む。ぼたぼたとソースがしたたる。
              カフェデ50512 
              食いしん坊の麺
              カフェデ50510 
              言葉はいらない

素朴なもっちり感といい歯ごたえ。小麦の風味がかなりある。濃厚とこってり感。黒胡椒がいいアクセントになっている。ベーコンはもう少し多い方がいいと思うが、カルボナーラの恐るべき時間がゆっくりと回り始める。次第に腹がふくれてくる。二度ほどため息をついて、ようやく完食に辿り着いた。満足満足・・・。

「わたしのほうはハズレ。スープが多すぎて、パスタも柔らかすぎ。村長の方が当たり。悔しいわ。コーヒーを飲もうかと思ったけど、400円はもったいない。節約節約・・・」
「どうしちゃったの? 魯山人のいい余韻はいずこへ?」
「和食にすればよかったわ。口直しにもう一軒、行きましょ」
「・・・・・・」

本日の大金言。

幸せは摑んだと思った瞬間、するりと手から抜ける。だが、美は永遠になるかもしれない。一瞬の美がずっと心に残ることもある。




                           カフェデ50514 

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR