またも本柚子豆腐に遭遇(後編)

 「とようけ屋山本」の本柚子豆腐とにがり絹ごしをすっかり堪能したウマズイめんくい村一行約2人は、その2日後、京都を発つ際に、京洛グルメ先生と南座前で待ち合わせた。多忙で鳴るグルメ先生なので、今回はお会いできないかも、とあきらめていたが、いつもの手提げ紙袋姿で飄々と現れた。昼飯を食べながら近況などを歓談し、村長は持参した手土産を渡してから「では次回はお江戸でお会いしましょう」と別れようとした。

ほとんど同時に、グルメ先生が「はい、これ」と紙袋を村民2号に手渡していた。グルメ先生の気遣いとさり気ない配慮にはいつも驚かされる。
「豆腐なので重いけど、これは美味いですよ。専用の醤油だれも一緒に入れてあります」
まさか・・・。何という神様のイタズラか。そのまさかの「とようけ屋山本」の柚子豆腐だった。

「ありゃあ、これ、おととい食べましたよ。京洛グルメ先生がイチオシしていると、赤坂放送局から勧められたので」
村長は慌てて、事の経由を話した。グルメ先生の動揺がわかった。し、しまった、言わなきゃよかった。好意を無にしてしまいかねない。
「でも、生姜(しょうが)はなかったでしょ?専用のものを付けてあるから、村に帰ってからよーく味わってください。この生姜がないと本柚子豆腐の本当の味はわからしまへんで」
ヒッヒッヒがなかった。寂しい。
               本柚子豆腐①
               ぜい沢な再試合(右下が黄金生姜)

その夜、ウマズイめんくい村に戻ってから、二度目の賞味となった。暑いので缶ビール。にがり絹ごしではなく、本柚子豆腐が二丁赤坂放送局が言っていたように、「グルメ先生のイチオシが本柚子豆腐」であることを確認できた。

ホテルで食べたときと違うのは、生姜の存在。よく見たら奄美大島の黄金生姜で、生姜界の最高峰に位置する逸品。まな板で本柚子豆腐を切り分けてから、器に盛り、すりおろした黄金生姜をのせ、「豆腐のたれ」をさらりとかける。
               本柚子豆腐② 
               本柚子豆腐の肌
               本柚子豆腐③ 
               たまらん
               本柚子豆腐⑤ 
               三位一体の美味

「やっぱり美味いわ。まろやかさが違う。ホテルで食べたときも美味かったけど、さらに格別になった感じ。この生姜を加えただけで、1+1が3から4になった感じ。さすが京洛グルメ先生だわ。村長はやっぱりダメね。本柚子のほのかな香りが何だか殿上人の世界に私を誘ってるみたい」
「ありゃりゃ、黄金生姜が秘密の扉を開けてしまったかな。確かにホテルで食べたときよりもさらに美味くなっている。でも、村長はやっぱりにがり絹ごしの方が好きだな。大豆本来の美味さが完璧に近い。にがり絹ごしで食べたら、村長も卒倒していたかもな」
「早く卒倒してほしいわ」
「・・・・・・」
               本柚子豆腐⑦ 
               舌触りが別次元
               本柚子豆腐⑧ 
               あーん

翌日、豆腐のあまりの美味さが気になって、「とようけ屋山本」まで電話してしまった。
「何でこんなに美味いんですか?」
「おおきに。大豆は中国の最高級の大豆と国産の最高級大豆をブレンドしてます。水が違う? はい、京都は元々地下水がいいのんどす。最近は保健所がうるさいので、それをさらにきれいに浄水して使ってます」
明るい女性の声。それだけで豆腐の美味さが伝わってくるような。

「にがり絹ごしの方により感動したのですが、にがりは特別なもの?
「天然のにがりを使ってます。海水から作ったもので、にがり絹ごしは100%それを使ってるんですえ。天然にがりは固まりにくいので、その分、固めるために豆乳の濃度を濃くしてるんどす。そやから、にがり絹ごしの方が大豆の風味が強く出ていると思います。他の豆腐は普通のマグネシウムを使ってますよってに」
               本柚子豆腐1 
               幸せは続かない

しばし京都で別れてきた京洛先生と赤坂放送局の顔を思い浮かべた。柚子豆腐は殿上人(てんじょうびと)、にがり絹ごしは地下人(じげびと)と言えるのではないか。その分類で行くと、グルメ先生と村民2号はたぶん殿上人、村長はたぶん地下人。赤坂放送局もその後の経由をかんがみると、地下人に近い。豆腐を巡る戦いは固まりきれない結末になってしまった。豆腐の角に頭をぶつけなければならない。

本日の大金言。

本柚子豆腐もにがり絹ごしも絶品であることは間違いない。だが、グルメ先生によると、京豆腐の中にも人気だけでダメなものもあるそう。真っ先に観光客がダマされるとも。





                           今西軒⑦ 



 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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