猛暑に「山形冷やしラーメン」

 久しぶりに東京・神保町へ。ここには村長の遠い親戚の古本屋もある。好きなジャズ屋もある。あちこちに顔を出して雑談しているうちに、あっという間に午後3時を過ぎてしまった。夕方には北千住に行かなければならない。慌てて外に出ると、相変わらず猛烈な暑さが横たわっていた。

昼飯を食べていないことに気づいた。汗が噴き出している。駿河台下を小川町寄りに歩くと、「冷ったいラーメン」の幟(のぼり)が見えた。「山形名物」の文字も。満艦飾のような店構え。「麺ダイニング ととこ」という店名。このあたりは何度も歩いているはずなのに、どうして気づかなかったんだろう? 人間の視野など当てにならないな、頭蓋骨の中の幻想から一歩も抜け出せないな、などと思ったりする。暑さのせいで頭までおかしくなったのかもしれない。
              ととこ② 
              冷ったいラーメンて何だ?

山形の冷やしラーメンは山形まで行って食べた元祖「栄屋本店」に少々がっかりさせられた記憶がある。旨いのは最初の3~4口ほどで、溶け始めた氷と単調な味に期待が大きかった分、「こんなもんか」と気分も冷めてしまった。ここも同じか? 「冷たい」ではなく「冷(つ)ったいラーメン」と山形弁で表記してある。あまりの暑さにも後押しされて、飛び込むことにした。
              ととこ① 
              雑貨屋さん?

まるでスナックかバーのようなL字のカウンターが伸びていた。壁には山形の地酒のメニューがこれでもかと表記してある。右奥に4人掛けのテーブルも。正面奥が厨房のようで、そこに店主らしい男性の姿が見えた。夫婦なのか、おしゃれなベレー帽をかぶった女性が冷たい水を持ってきた。
              ととこ④ 
              つったいメニュー
              ととこ2 
              冷酒を飲みたくなる

定番(?)の「つったいラーメン」(800円)を頼んだ。12~3分ほどで、白い陶器のラーメンどんぶりに盛られた冷やしラーメンがやってきた。大きな海苔、鶏チャーシューが中央に2枚、斜め切りの長ネギ、メンマ、キュウリ、ナルト、ワカメ、それに菊の花がパラパラと散っていた。氷が4~5個ほど醤油ベースの黒っぽいスープに浮いている。菊の花とは珍しい。確かに山形の匂い。
              ととこ⑥ 
              氷の世界?

「鶏チャーシューは炙(あぶ)ったもので、熱いですから、それだけは冷めないうちに食べてくださいね」
女将らしい女性が言葉を添える。昔山形美人系。ついでに「ととこ」の意味を聞くと、「ニワトリの赤ちゃん言葉なんですよ」とか。ニワトリの赤ちゃんになりたい。
              ととこ⑧ 
              炙り鶏チャーシュー

これが当たりだった。まずは鶏チャーシュー。まずまずの旨さ。次に醤油ベースのスープへ。かなり黒っぽく見えるが、鶏の出汁が効いていて、旨味がにじみ出ている。濃くなく、まろやかな味わい。ほのかに柚子(ゆず)の香り。複雑な隠し味も潜んでいる。聞いてみると、「しいたけとかタマネギなども使っている」そう。素材にこだわりを持っているようで、無化調、醤油も鶏肉も山形から取り寄せているとか。
              ととこ⑨ 
              冷たいスープ
              ととこ11  
              秀逸な細麺
              ととこ10 
              メンマもマル

感心したのは黄色みの強い細麺。コシがしっかりとあり、スープによく絡む。「栄屋本店」では食べているうちに徐々に飽きが来たが、これは最後まで飽きが来なかった。氷が固いのか、溶けも気にならない。800円という価格は安くはないが、それ以上にささやかな満足感が広がった。本場でガッカリして、東京で感心する。食材の説明が過剰なことと、満艦飾風の入り口はやや興ざめだが、今度は夜に来てみたくなった。

本日の大金言。

冷やしラーメンと冷やし中華は似て非なるもの。もう少しブレークしてもいいのに、まだブレークまでは行っていない。レベルの高い冷やしラーメンの登場を待つしかないのかも。



                          ととこ12 



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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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