「小ざさ最中」を冷やして食べる

 東京・吉祥寺の「小ざさ(おざさ)」は羊羹(ようかん)があまりにも有名だが、一日150本しか作らないので、ほとんど夜中から並ばなければ手に入れることができないとか。「店は午前10時オープンですが、明け方の5時には整理券(50枚)が終わってしまいます」(店のスタッフ)というから、尋常ではない。たぶん日本一手に入れにくい羊羹かもしれない。
              小さざ 
           行列より最中(小ざさ)

村長は吉祥寺周辺に住んでいたころ二度ほど食べたことがあるが、値段も安いうえにきれいなこしあんと練りに「なるほど人気があるのもわかる」と納得したものだ。それでも当時は早朝に行けば、何とか手に入った。今回はむろんパス。もう一つの狙い目「最中(もなか)」を買い求めた。こちらはそう混んではいない。5個入り(305円)をゲット。内訳は白あん2個、紅(小倉あん)3個。1個61円なり。安い。
              小さざ② 
              狙い目

前夜の宴会のいい余韻が頭に残っている。吉祥寺にお住いのやり手のH女史が白ワインを飲みながら、勢いで全員に「小さざ」の最中をお土産にと、買いに行こうとした。村長はすでにひそかにゲットしていたので内心焦った。誰かが「甘いものは苦手」と言ったのでH女史は思い止まった。なぜか胸を撫で下ろす。そのまま赤ワインへと雪崩れ込んでいった。

そんなことを思い出しながら、その最中を賞味することにした。最中もこれまで何度か食べたことはある。で、今回は冷蔵庫に入れて冷やしてから食べてみることにした。京菓子「松露」で味を占め、今度はそれを最中で実験してみようというわけである。これは和菓子に対する邪道である。水菓子以外は冷して食べることはまずない。
              小さざ 
              冷やした最中

ところが、これも意外や美味だった。「松露」ほどではないが、皮もパリパリのまま、さすがに餡(あん)はやや固めになったが、冷たさがその欠点を十二分に補った。
              小さざ14 
             お控えなすって

まずは白あん。大きさは小ぶりだが、あんがぎっしりと詰まっている。北海道十勝産の手ぼう豆(たぶん)はねっとり感が強め。かなり甘い。皮はパリッとしていて、濃厚な白あんを邪魔しない。手ぼう豆がそのままの形で練り込まれていて、それがいい歯ごたえになっている。ねっとり感が「小ざさ」の羊羹のさわやかなイメージと合わないが、これはこれで美味。
              小さざ11  
              あんと皮
              小さざ⑧ 
              白あんの量
              小さざ12 
              意外な濃厚

紅あん(小倉あん)は、羊羹とほぼ同じ風味で、北海道十勝産小豆のいい風味が口中に広がった。小豆の粒つぶがいいアクセントになっている。小豆とこしあんを別々に炊いて、それを合わせているのかもしれない。さらっとしたピュアな食感。つぶしあんではない。あんこ作りに手間ひまをかけているのがわかる。
皮との相性も素晴らしい。
              小さざ② 
              紅でやんす
              小さざ⑤ 
              絶妙な風味
              小さざ⑥ 
              ま、お食べ

「紅あんのほうがきれいな風味で好きだわ」
「確かに。透き通るようなこしあんと小豆の色味と味わいが絶妙だな。そよ風を感じるよ」
「悪かったわね。台風みたいで」
「そんな意味じゃ・・・」
人生、どこに落とし穴があるかわからない。

本日の大金言。

猛暑に最中を冷やして食べる。あまりおすすめはできないが、視点を変えると新たな美味を発見できる。



                            小さざ13
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救いがないバカ並び

小ざさ人気は確かに異常だ。安くてうまいのはわかるが、つくづく日本人というのは「行列は並ぶためにある」で、うまいから並んでいるのではなく、そこに並んでいるから並ぶ。自分のポリシーがない民族だと思う。隠れたもっといい店を探したほうがよほど建設的だと思う。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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