人形町路地裏、謎のフレンチトースト

 所用で江戸表に出たついでに、小雨の中、人形町をぶらついてみた。ちょうどランチタイム。先日は蛎殻町でいい焼き鳥丼に出会ったので、今度は甘酒横丁周辺を歩いてみることにした。小春軒でカツ丼でも食べようかと行ってみると、混み合っていた。5~6人ほど並んでいる。この時間の人形町はどの店も混み合っている。

仕方なく人形町郵便局の前を通り過ぎる。すると、その路地奥に静かな時間が流れていた。うむ。左側にあの料亭きく家と高級居酒屋いわ瀬の黒塀が伸びていた。喧騒から離れた路地も悪くない。タイムスリップしたような気分。
               カフェスト 
               路地裏の意外

スタンド看板がひっそりと佇んでいた。そこに「プリオッシュフレンチトーストスペシャル」(ドリンク付き1300円)と表記されている。写真はフレンチトーストを覆うように果物がどっかと取り囲んでいた。時代劇の世界に突如、ポツネンと現代劇が飛び込んできたような気分。フレンチトーストは村長の好みでもある。何より人気がないのがよろしい。「カフェスト」という店名で、入り口はどこかパリの路地裏のカフェのよう。
               カフェスト① 
               モダンな入り口

入った瞬間、軽く息を飲んだ。モダンで広い店内に客が一人もいない。正面に注文口があり、その奥が狭い厨房になっていた。どこかハワイかグアム島のカフェのような雰囲気。「宮崎産 白水舎のソフトクリーム」が目に入る。不思議としか言いようのないカフェ。色黒の青年が一人、「いらっしゃいませ」と明るく言った。アクセントから日本人のようだ。
               カフェスト② 
               客はいずこ?  

「プリオッシュフレンチトーストスペシャルをお願いします」「ドリンクはどうなさいますか?」「コーヒーで」「人形町ブレンドですね。有機栽培のコーヒーです」「それでお願いします」・・・・・・「面白い店だね。店は新しい?」「オープンして約1年になります」「もっと客がいるといいね」「はい。でも女性客が多いんですよ」「それはいいね」

待ち時間は17~8分ほど。注文を受けてから果物を切り、調理しているのがわかった。しばらくすると、若い女性客が一人、入ってきた。なぜかホッとする。白い磁器皿に果物がテンコ盛りされたフレンチトーストがやってきた。りんご、メロン、グレープフルーツ、キウイ、ブルーベリー、バナナ・・・その下に隠れるようにプリオッシュのフレンチトーストが2枚、さらに生クリーム。メイプルシロップの瓶もドンと置かれた。
              カフェスト③ 
              プリオッシュフレンチトーストスペシャル
              カフェスト⑤ 
              スペシャルである
              カフェスト⑦ 
              試合開始

果物はすべて鮮度がよく、特に熟したメロンが美味。フレンチトーストは輪切りにした自家製プリオッシュで、ミルクと卵の黄身が上半分だけ浸かったもので、京都で食べたどろりとしたフレンチトーストではない。まるでマフィンをトーストしたようなシンプルな味わい。やや期待外れだが、バターの香りが悪くない。
              カフェスト⑧ 
              フレンチトースト?
              カフェスト3 
              絶妙の世界へ
              カフェスト5 
              オリジナル

生クリームは甘さがかなり控えめでいい風味。それを塗ってからメープルシロップをかけてみる。意外に悪くない。さらに果物を乗せてガブリと行くと、これが不思議にマッチしていた。果物から出る新鮮な果汁とフレンチトースト、生クリーム、メイプルシロップが妙に合う。意外すぎる味覚。新たな世界か・・・多分かようなメニューはここしかないだろう。

その間、また一人女性客が入ってきた。約40分の間にやってきたのはこれだけ。ランチタイムだというのに、これはどうしたことだろう? あれこれ想像してみる。出がけにベテランの女性スタッフがやってきて、「また来てくださいね」とにっこりほほ笑んだ。客の少ないカフェ・・・こういう楽しみも悪くない。

本日の大金言。

表通りより路地裏。行列より閑散。正統より異端。人気地帯にも探せば意外な店がある。それを見つける楽しみ。



                             カフェスト10 


 
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逆説好き

お客のいない店に入る。あんたは筋金入りのへそ曲がりのようだ。偉いのかバカなのか、食べログを信用するバカとしないバカ、同じアホなら踊らにゃ損損ということもあるから、案外バカのバカは利口ということかな?
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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