最近のイライラをふっ飛ばす十勝豚丼さま

 「何だか最近、イライラすること多くない?」
美熟女の村民2号が、イライラとは無縁なノー天気顔でささやいた。
「別にイ」
赤羽彦作村長は、沢尻エリカ調で答えた。
「うまい豚丼が食べたくなったのよ。もう察しが悪いのね」

ロンドン五輪が終わってからというものの、気持ちのスカッとする出来事が少なくなってしまった。そこに酷暑が重なり、竹島・尖閣問題が勃発。永田町は国民不在で三文芝居を続けている。3.11後の原発問題はさらに深刻度を増しているというのに、メディアは真相に迫る努力さえしていない。日本中のイライラがどんどん増している。図書館で借りてきた傑作シリーズ「映像の世紀」(NHK)を見るたびに、彦作村長は現代が第二次世界大戦前の状況に酷似してきているように思えてしまう。マッチ一本火事の元。人類が過去から学ぶことができるなんて、所詮、幻想に過ぎないのか。いやいやそうではあるまい・・・彦作村長はまるで似合わない高倉健顔で意味もなく首を二、三度振るのだった。

          十勝亭① 

時代が閉塞している。ウマズイめんくい村も閉塞しかかっている。
「そうか。では、とっておきの豚丼の店に行くとするか」
「そう来なくっちゃ」

愛馬、いや電車に乗ってやってきたのは、クレヨンしんちゃんの街・春日部にある十勝豚丼の専門店、その名も「十勝亭」。ここは、隣の「会津ラーメン」の店とともに、たまに訪れる店だった。
豚丼といえば、吉野家やすき家、松屋など牛丼チェーンがアメリカ産牛肉のBSE問題で大揺れした時に、代打のメニューとして「豚丼(豚めし)」を出したことがあった。この手の豚丼は牛丼と同じように煮込んだものが中心だった。

だが、十勝豚丼はまるで違う。B級グルメ業界では「帯広系豚丼」ともいうが、甘辛の醤油ダレで焼いた豚肉を丼にのせている。今からさかのぼること約80年前、昭和8年に帯広にある大衆食堂「ばんちょう」が初めてメニューに出したと言われている。それが、春日部にあるのである。さすがクレヨンしんちゃんの街だ。

昼飯どきに来たのは初めて。店に入ると、結構混んでいた。財布が軽いという事情もあり、村長と村民2号はランチメニューから「本ロース豚丼」(Mサイズ、690円)を注文した。トン汁とおしんこ付きというのもうれしい。テーブルとカウンター席。店主らしい中年男性が黙々と豚肉を焼いている。ガラスで仕切られているが、うまそうな匂いと煙がいかにも「十勝豚丼の店」という雰囲気を十分に醸し出している。


         十勝亭③ 

注文してから焼き始めるために、約20分ほど待たされた。村民2号のイライラが頂点に達する直前に「本ロース豚丼」がトン汁とおしんこを従えてやってきた。こんがり焼けたでっかい豚肉が数えてみると3枚。ドンブリからはみ出てしまいそうな勢いで魅惑的な「甘辛醤油寝巻き姿」を横たえている。黒コショウとグリーンピースが3個ほどのっている。その風情、そのボリューム、その圧巻。村民2号は息を飲まれ、彦作村長は唾を飲み込むのがやっとだった。

          十勝亭④ 

「やっと会えたのね。豚丼さま」
村民2号が上州女の本性を丸出しにしてガッついた。彦作村長もつられるように、十勝豚丼の世界に入っていった。甘辛醤油ダレが真っ白いご飯にほどよくしみいっている。主役の豚肉は厚さ2~3ミリほど。見た目よりは薄い。
「焼いたからよ。もともとは5ミリくらいあるわよ。柔らかくて、しかも肉汁がいい感じで出ている。いい豚肉を使っている証拠よ。ワタシの好み!」
トン汁は具がかなり多い。味は濃いめ。特筆したいのはおしんこ。大根漬け2切れだが、これが絶妙だった。豚丼とトン汁の重層な攻撃を見事にニュートラルにしてくれる。豚丼の濃厚なうまさに飽きかけておしんこをかじる。すると、口中に一瞬だが、さわやかな風がひと撫で。それが合図となってまた豚丼の世界に入っていく。その至福の繰り返し。食べ終わる頃には、「満足満足。余も姫も満足じゃ」という言葉が漏れてくるのだった。

豚肉にはビタミンB1が牛肉の約10倍も含まれ、疲労回復やイライラを静める効果がある。十勝亭の豚肉は指定業者(栃木県那須)から仕入れているという。このところのイライラ感を十勝豚丼で静める。村民2号の直感はときどきいい方向へ向かう。ウマズイめんくい村の危機も十勝豚丼によって救われたのかもしれない。あまり関係ないが、十勝花子はどうしているのか?



本日の大金言。

イライラ日本。十勝豚丼をもっと食べる運動をしたらどうだろう。日本人も韓国人も中国人も。「ASEAN」をやめて「BUTAAN]を提唱したい。


         十勝亭⑤ 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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