「行列のコッペパン」に並んでみる

 いつものように夕暮れ時、北千住で途中下車することにした。サラリーマン・OLにとってはブルーマンデー。村長にとってはいつもの月曜日。だが、駅改札口を出た途端、ルミネの前がおかしなことになっていた。行列が延々と続いていた。駅構内でこれほどの行列は記憶にない。好奇心がむくむく。その先をたどって行ったら、「吉田パン」という文字が見え、女性店員が数人、パンを売っていた。それもコッペパン!
              吉田パン 
          ざっと70~80人の行列
              吉田パン① 
              吉田パンって何だ?

そのほとんどは女性客で、その発散するフェロモンに行列嫌いの村長もクラクラ来てしまった。「あんマーガリン」(190円)が一番人気で、「ピーナッツ」(180円)や「マーマレード」(190円)などスイーツ系ばかりでなく、「たまご・ハム」(350円)「コンビーフチーズ」(370円)など惣菜系もそろっていて、その種類の多さに驚いた。
              吉田パン2 
              20種類以上

これは並ぶしかない。並んでいる間に軽く取材開始。常連だというOLが毎週月曜日だけここで売ってるのよ。亀有に本店があり、コッペパン専門店なんですよ。そこに行くと、注文するとその場で調理してくれる。今すごい人気なんですよ」と教えてくれた。
              吉田パン④ 
              あんマーガリン

40分ほど並んで、ようやく一番人気の「あんマーガリン」(190円)と「コンビーフチーズ」(370円)をゲットした。ふっくらした見事なコッペパン。あんこはこしあんで、自家製だそう。東銀座の名店「チョウシ屋」のコッペパンも絶品だが、このコッペパンはさらにふっくらとしている。だが、食べてみないとその評価はわからない。

駅近くの喫茶店で賞味することにした。半透明の包みを解くと、グラマラスなコッペパンが現れた。淡いきつね色と白い部分が「美味そう光線」を放っていた。ひと目でスグレモノだとわかった。「吉田パン」は亀有で2年前に創業、たちどころに評判店になった。調べてみたら、岩手・盛岡の人気コッペパン屋「福田パン」(昭和23年創業)で修業したらしい。
              吉田パン⑤ 
              ようやくゲット

かなりの大きさなので、190円という価格設定は高くはない。手に取ってから二つに割る。ふわふわ感としっとり感が見事に調和している。いい小麦粉の香りが立ち上がってくる。その間の切れ目に塗られた無塩マーガリンとこしあんの量が半端ではない。どちらも厚さは3~5ミリほどある。この惜しげのない奉仕精神がどこからくるのか、村長は訝った。
              吉田パン⑥ 
              自家製コッペ

ガブリと行くと、パン自体の素朴な美味さに軽い感動を覚える。ほのかに塩気がある。東銀座チョウシ屋のコッペに負けない美味さだと思った。続いて、自家製だという絶妙なこしあん、控えめな甘さ、風味が第二波となって村長を襲ってきた。しっとりしたきれいなこしあんで、あんこ好きにはたまらない味わい。その間隙を縫うように、無塩マーガリンがなめらかに割って入ってきた。これはコッペパン界の3Pではないか? 絶妙なハーモニーとしか言いようがない。
              吉田パン7 
            こしあんと無塩マーガリン
              吉田パン⑧ 
               三位一体どすえ

コーヒーで脳内エンドルフィンを鎮めながら、一個ぺろりと平らげる。満足感。「コンビーフチーズ」はジャズバー「ゆうらいく」で食べることにしよう。惣菜コッペパンはそう安くはないので、スイーツ系が狙い目だと思う。その後、調べてみたら、盛岡の福田パンは昭和23年(1948年)創業で、初代はあの宮沢賢治の教え子だそう。とすると、村長が食べた「あんマーガリン」にはイーハトーブの夢の跡が入っていたのかもしれない。まさか、ね。

本日の大金言。

コッペパンは日本独自のパン。ある世代以上は貧しかったころの思い出しかないかもしれない。だが、その素朴な形と旨味が再び脚光を浴びつつある。


                            吉田パン10 






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吉田パンは亀有の本店に行ったほうが絶対いいですよ。そんなに混んでません。北千住は混み過ぎです。私はピーナッツとカレーがお勧めです。
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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