ハトヤ食堂の感動「支那そば」

 喜多方ラーメンは今や全国区ブランドだが、会津ラーメンはマイナーである。だが、会津ラーメンの歴史は喜多方ラーメンよりも古い。「みちのく最古の手打ち中華そば 三角屋」の創業は大正初期と言われている。喜多方ラーメンの元祖「源来軒」が大正末期、屋台から始めたことを考えても、三角屋の方が古い。

会津ラーメンと喜多方ラーメンはスープがとんこつ醤油ベースであること、麵が平打ち太縮れ麺であることなど基本的には共通している。全国展開している幸楽苑は会津ラーメンと銘打っているが、本来の会津ラーメンとは麺が違い過ぎる。全国チェーン展開にはそういうギャップがどうしても出てくる。
              ハトヤ食堂② 
              会津に行くならハトヤ?

という前口上はさておき、その会津ラーメンの老舗の一つ「ハトヤ食堂本店」の暖簾を久しぶりにくぐることにした。「三角屋」はすでにこのブログで紹介しているので、今回はもう一方の雄に乗り込むことにしたのである。食べログやガイドブックなどで、ここはソースかつ丼の旨い店として紹介されることも多いが、その情報はあまりに表面的すぎる。会津藩足軽出身の村長に言わせれば、ここの本当の目玉はラーメンなのである。
              ハトヤ食堂① 
              創業80年の暖簾

日新町の本店はちょうど昼飯時で混んでいた。しばらく待とうと思ったが、若女将が出てきて、「よかったら奥にも部屋があります。そちらへどうぞ」と案内された。裏口から入ると、座敷があり、4人用のテーブルが三つ。地元の客らしい親父グループがラーメンを食べていた。「やっぱしここはラーメンだな、ソースかつ丼もウメけど、昔からここはラーメンだべ」などと会津弁で話しながら、舌鼓を打っていた。やっぱし・・・村長は膝を打った。
              ハトヤ食堂③ 
              中華そば? 支那そば?
              ハトヤ食堂④ 
              地元の客が多い

メニューの中からその「しょうゆラーメン」(550円)を頼んだ。しょうゆラーメンというよりも中華そばか、支那そばと言った方が正確だと思う。村長に言わせると支那そば。13分ほどの待ち時間で、その支那そばがやってきた。白い大きめのドンブリに豚ガラ醤油スープが揺蕩っていた。うっすらと脂が浮いていて、いい匂いが立ち上がってくる。手切りした煮豚チャーシューが2枚、太いシナチク、その下には平打ち麺という構成。ナルトが驚くほど分厚い。全体的なボリュームは普通のラーメンの1.3倍はあるかもしれない。
              ハトヤ食堂⑤ 
              これこれ
              ハトヤ食堂⑥ 
              コショウをパラリ

まずはスープ。豚ガラをじっくりと煮込んだことがわかるまろやかな旨味が煮干しの風味とともに舌にアタックしてきた。醤油は見た目よりもきつくない。ほのかな甘みは豚ガラから滲み出た脂だと思う。次に麺へと箸を動かす。かん水による縮れとつややかさが際立っている。もっちり感。思わずこれこれ、とつぶやきたくなる。若女将によると手もみしているそう。
              ハトヤ食堂⑦ 
              歴史のあるスープ
              ハトヤ食堂⑧ 
              麺の凄味
              ハトヤ食堂10 
              煮豚の感動

チャーシューは会津産豚バラとらんぷを使った煮豚チャーシューだが、この柔らかな美味はかなりのもの。ピンクがかった赤身と白い脂の部分がきれいで、肉自体の旨みが全面に出ている。手切り感がいい。喜多方ラーメンの陰に隠れているが、会津ラーメンの旨さを改めて認識した。太めのシナチク、分厚いナルトも会津らしい。
              ハトヤ食堂11 
              無骨なシナチク
              ハトヤ食堂12 
              分厚いナルト

「ホメてばっかりじゃない。化学調味料も少しは使ってると思うし、海苔がない。それでラーメンと言える? ほうれん草も入れてほしいわ」
「その割にはきれいにスープまで飲んでる。漬け物が付いていて、それが旨いわって言ってたのは誰だ?」

「旨いのは認めるけど、村長の屈折した会津びいきにはあきれるわ。喜多方ラーメンの悪口まで言ってフェアじゃないわ」
「悪口じゃないって。事実を言ってるんだってば」
「そこが会津の人の嫌なとこ。よく言えばガンコ、悪く言えば狭量。だから戊辰戦争に負けるのよ」
「ひえーっ・・・・・・」

本日の大金言。

会津に行ったら、ぜひハトヤ食堂本店のラーメンを食べてみてほしい。話しはそれからどす。


                         ハトヤ食堂13 

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豚骨と豚がら

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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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