藤沢周平と「庄内汁料理」の味

 山形・鶴岡市は藤沢周平の故郷である。小説の中に登場する海坂藩は庄内藩がモデルと言われている。時代小説作家の中でも特に藤沢周平ファンである村長と村民2号にとって、ここは来たかった場所。藤沢周平記念館を様々な思いで見学した後、ランチをどこで取るか、迷った。海坂藩なので、ガイドブックは当てにしない
              藤沢周平記念館 
              藤沢周平が生きている(記念館)

記念館の受付嬢がそっと教えてくれた店に行くことにした。「庄内汁料理の店で、私もよく食べるんですよ」のひと言が決め手。ブラブラ歩いて行ける距離。致道博物館前に今年4月にオープンしたそうで、「庄内藩しるけっちゃーの」という不思議な店名。予約が殺到するイタリアンレストラン「アルケッチャーノ」の姉妹店だとか。「汁」と「知る」を掛けたネーミングだそう。わかりにくい。
              しるけっちゃーの 
              庄内藩しるけっちゃーの

古民家カフェのような店構えで、店内はカウンター席と大きなテーブル席がある。女性スタッフがいきいきと働いていた。カウンター席に案内され、メニューの中から「秋の味覚セット」(飲み物付き1200円)を選んだ。「サンマの山椒醤油煮」は終わっていて、「サワラになります」とのこと。サワラは春の魚だが、鶴岡では今が旬。これは・・・当たりかもしれないぞ。
              あるけっちゃーの① 
              ランチメニューは2種類

15分ほど待って、「秋の味覚セット」がやってきた。木箱に入った小皿が3種。大根・ゴボウと牛のキンピラ、ナス青唐辛子の揚げびたし、糸ウリの煮付け。メーンはサワラの味りん醤油焼き。汁ものは焼きナスともずくのお味噌汁。ごはん、漬け物という構成。木箱を通して目の前に広がる緑の景色がいい。
              しるけっちゃーの① 
              凝った料理と器

「気に入ったわ。藤沢周平の小説には脇役として庄内料理が旨そうに出てくるけど、その延長線上にこの料理があるのね。どんがら汁を食べたかったけど、冬しか食べれないので今回は残念だけど、この焼きナスともずくの味噌汁もいいわね」
村民2号がズズズとすする。村長も負けじとすする。平和の有難みもしみじみと味わう。
              しるけっちゃーの⑦ 
              焼きナスともずくのお味噌汁
              しるけっちゃーの⑥ 
              丸ナスの美味

出汁と地場味噌の味がとてもいい。焼きナス、白菜、もずくがやさしい。庄内の水はカルシウムが多く、それが煮崩れを防ぎ、料理にいい味わいをかもし出している。味噌は2種類をブレンドしているそう。庄内の旨みが詰まっているような深い味わいを堪能する。
              しるけっちゃーの③ 
              サワラの味りん醤油焼き
              しるけっちゃーの② 
              小皿が3種

メーンのサワラの味りん醤油焼きは味がやや濃いめ。だが、焼き加減がよく、身が柔らかい。炊き立てのご飯(はえぬき)が柔らかめ。もう少し固めが村長の好みだが、これはこれで悪くはない。量は少なめ。3種の小皿はそれぞれにまずまずの味。漬け物が美味。小茄子のビール漬けが気に入った。もう1個あればもっといいのだが。
              しるけっちゃーの⑨ 
              ナス青唐辛子の揚げびたし
              しるけっちゃーの14 
              凝った漬け物

箸を置く。八分の満足感。足るを知る。藤沢周平の「私は所有する物は少なければ少ないほどいいと考えている」と言う言葉を噛みしめる。所有する物を少しずつ減らしていって、やがて自分もふっと消えるのがいいという意味のことを書いている。我欲と物欲と食欲の強い村長にとっては耳の痛い言葉でもある。喝っ!

本日の大金言。

藤沢周平記念館の目玉が書斎。大泉学園の自宅の六畳間を再現したもの。実際に使っていた机、椅子、パーカーの万年筆、コクヨの原稿用紙・・・そのシンプルな佇まいからあれだけの名作が生まれた。ローマは一日にしてならず。



                        しるけっちゃーの10
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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