きんつば番付「東の徳太楼、西はあずき庵」

 堺に足を伸ばしたついでに「日本の胃袋」大阪に立ち寄ることにした。大阪は好きな街で、今回は久しぶりの着陸。狙いの一つは「出入橋きんつば屋」。あんこ中毒者として、この店は避けられない。村長のきんつば番付では東の横綱は東京・浅草の徳太楼だが、西は未知の世界ということもあり、空位である。出入橋きんつば屋は昭和5年(1930年)創業の老舗で、浪速の庶民の人気が高い。

そこへ行こうと思ったら、宮仕え時代の甘党後輩が「あそこは確かに美味いですが、有名過ぎます。へそ曲がりの村長らしくない。それより同じ暖簾から独立したきんつば屋があるのですよ。ほとんど同じ味ですが、こちらの方が仕事がていねいです。ボクはここのきんつばが大阪一だと思うてます」とメールしてきた。うむ。
              あずき庵① 
              きんつばの西のキングか?

へそが曲がりっぱなしの村長としては聞きづてならない。後輩には「またガセネタだろ?参考程度にはしておくよ」と返事してから、その「船場 あずき庵」へと急いだ。時間があまりない。地下鉄堺筋本町で降りて、南久宝寺商店街へ。「あずき庵」の幟(のぼり)が見えた。小さな店構え。「きんつば1個100円」の文字。徳太楼より安い。
              あずき庵② 
              メニューは少ない

店には店主が鮮やかな手つきで黙々ときんつばを焼いていた北千住ジャズバー「ゆうらいく」のマスターとそっくり。意味もなく親しみを感じた。これが想像以上のきんつばだった。店主は「出入橋のほうはボクの弟がやってるんですよ。この店はまだ13年です」と語った。自宅用にきんつば5個(500円)を買い求めた。ついでに帰りに立ち寄る京都三条商店街の隠れ名食堂「ちから」の女将とグルメ仙人先生にもお土産として包んでもらう。けな気な気配りというより海老で鯛を釣る戦術?
              あずき庵④ 
              すご腕のきんつば職人
              あずき庵⑤ 
              見とれる
              あずき庵③ 
              ため息が出る

ウマズイめんくい村に帰ってから、すぐ賞味することにした。添加物などは入っていないので、賞味期間が短い。紙包みをとくと、経木が現れ、その中から小ぶりだが、見事な焼き色のきんつばが現れた。村民2号が「へえー、素朴ねえ」と声を上げる。大きさは徳太楼とほぼ同じ。だが、焼き色がまるで違う。徳太楼はきれいで上品な白だが、あずき庵のきんつばは手焼き感にあふれていて、その皮がもっちりしている。
              あずき庵3 
              どないでっしゃろ?
              あずき庵5 
              この焼き加減
              あずき庵12 
              うむむ

ひと口で、その恐るべき実力がわかった。あずき餡の自然でふくよかな風味。甘さがかなり抑えられている。このあたりは徳太楼と共通しているが、寒天の割合が徳太楼よりも少ない。その分、小豆(北海道産)の美味さが見事に引き出されている。しかも100円という庶民価格。ただのつぶしあんではなく、あんを別々に作って、それを丁寧に合わせているような食感。切り口を見るとわかるが、煮崩れしていない大納言小豆がさり気なくふんだんに混じっている。ここに最高のきんつば職人がいることを確信した。
              あずき庵8 
              名人は隠れている

あんこが絶妙ね。それと皮のもっちり感がとてもよく合っている。素朴の中に上品が隠れているような感じねえ。お高くとまっていない感じが好きだわ」
「決まり! 西の横綱はあずき庵だね。いい店を見つけた感じ。後輩にも感謝しなくちゃ」
「まだわからないわよ。すごい店がまだまだ隠れているかもよ」
「楽しみが増えたなあ。ファイトがわくよ。次は九州あたりに行こうかな」
「はいはい、泳いで行ってくれば?」

本日の大金言。

京都で生まれた当時はぎん(銀)つば、江戸に来てきん(金)つば。元々刀のつばの形をしていてたが、いつの間にか四角になった。榮太楼のきんつばは昔の形を残しているが、1個200円(税込み216円)。徳太楼は1個135円。あずき庵は1個100円。これをどう見るか。


                        あずき庵11 


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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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