天国の六区通り、浅草の「いり豚」

 東京・西新橋での小宴会の前に、浅草に立ち寄ることにした。ぎっくり腰のままぶらりと散策。「千葉屋」で大学芋を買い、外人観光客でにぎわう仲見世方面へと向かうことにした。その途中の六区通りで足が止まった。通り沿いの街灯に、永井荷風やWけんじ、由利徹など浅草六区と縁の深い作家、お笑い芸人の写真とプロフィルが並んでいた。よき時代のセピア色の浅草! 
              水口食堂14  
              六区通り、ポエム

この辺りは売れない時代のビートたけしが通った「捕鯨船」や林家三平一家と縁の深い「翁そば」などもある。「水口食堂」もその一つ。昭和25年創業の、食堂というよりも居酒屋食堂と言った方が近い。知る人ぞ知るここの「いり豚」を食べたくなった。時計を見ると午後4時過ぎ。すでに昼めしは食べているが、胃袋には余力がある。
              水口食堂③ 
              やっぱ、ここだべ
              水口食堂 
              居酒屋食堂!
              水口食堂② 
              心躍る世界

昭和のよき大衆食堂の面影を漂わせる店構え。入ると、ビールを飲みながら競馬の検討をしている地元の老人や親父グループが昼酒を楽しんでいる。中国人らしい観光客も定食を楽しんでる。正面奥が厨房になっていて、白衣姿の高齢の店主の姿が見えた。そのしっかりとした佇まいだけでこの店がいい店だと直感できる。メニューの木札が驚くほど豊富に下がっている。
              水口食堂11 
              100種類以上?

「いり豚定食」(930円)を頼んだ。女性スタッフに「ご飯の量は?」と聞かれたので「小盛りでお願いします」と村長。小盛りだと50円安くなり、880円なり。隣のオヤジはまぐろのブツを旨そうにつつきながら、スポーツ新聞を読んでいる。タバコの煙りが漂ってくるが、ここは浅草。気にするのは野暮というもの。

10分ほどでまずお通しの煮豆の小鉢、続いて炊き立てのご飯(茶わん)と漬け物、それにアサリの味噌汁、「いり豚」がやってきた。食欲をそそるいい匂いが発散している。いり豚はたぶん豚バラ肉とモモ肉、それにタマネギをカレー風味のオリジナルソースで炒めたもの。トマトケチャップとカレー粉、それに味りんを加えているのではないか。
              水口食堂④ 
              いり豚定食、登場

まずはアサリの味噌汁。これが絶品だった。鮮度のいいアサリがどっかと入っていた。その出汁の旨さに軽く驚く。これだけでこの店が人気におぼれることなく、手抜きもなく、しっかりと料理を作っていることがわかる。
              水口食堂⑥ 
              驚きのアサリ味噌汁

「いり豚」はこの店のオリジナルで、この一品のファンも多い。口中に入れた途端、トロリとした甘酸っぱいソースと柔らかな豚肉、それにタマネギの感触が絶妙に広がった。豚肉の量とタマネギの量がかなり多い。味は濃い目だが、甘酸っぱさがいい具合にご飯に絡む。ご飯はやや固めに炊かれていて村長の好み。ご飯の旨さも半端ではない。
              水口食堂⑤ 
              いり豚ダス
              水口食堂⑧ 
              よだれに注意
              水口食堂⑨ 
              言葉はいらぬ

これは昭和の賄い料理の極致ではないか? いり豚というオリジナルメニューもどこか懐かしい、プロの板前の味がする。さり気ないメニューの中に潜んでいるプロの味わい。あえて言えば、漬け物だけが好みではない。これをべったら漬けかぬか漬けにしてくれたら・・・それはぜい沢に過ぎるというものかもしれない。口中に残るいい余韻。外に出ると、風雲急の夕空。「重大発表があるかも」という小宴会へと向かった。だいじょうぶマイフレンド?

本日の大金言。

浅草は京都と大阪が混在したような街。東京の中で唯一、老舗と見世物小屋を感じさせるごった煮の街。疲れたときにこの街を歩くと、生き返る。裏通りが特に面白い。




                          水口食堂12 


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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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