夏より晩秋の老舗うな重

 うなぎを食べたくなって、埼玉・行田にある老舗「満る岡(まるおか)」までポンコツ車を飛ばした。村民2号とご意見おばさんもうなぎと聞いて同乗している。今年初めてのうなぎ。つい3か月ほど前、土用丑の日や真夏に食べようと二、三度電話したが、予約が殺到していて、食べ損ねてしまった恨みがある。「満る岡」は明治8年(1875年)創業の、埼玉でも指折りの鰻屋。
              満る岡 
              晩秋のうなぎ!

国道125号線沿いにあり、さきたま古墳群や忍城(おしじょう)も遠くない。到着したのは正午ちょい前。築100年という見事な建物。鰻屋というよりは料亭のよう。暖簾をくぐると、天井が高く、モダンな造り。たまたまいた女性スタッフ(五代目女将だった)によると、「2001年に店を改装したんです」とか。改装する前に来たかった、とやや後悔。銀座の竹葉亭や桐生・泉新などのように、老舗はやはりうなぎの煙が柱や天井に滲み込んでいるような雰囲気がいい。
              丸る岡 
              老舗のいい店構え
              満る岡② 
              モダンな店内

奥のテーブルに案内されて、メニューの中から「うな重(上)」(肝吸い、お新香付 税抜2800円)を選んだ。たまのぜい沢。村民2号とご意見おばさんも同じもの。店が大きいので板場は見えない。匂いも煙も来ない。ウチワの音も聞けない。約30分ほど待って、見事な漆器のお重がお盆に乗ってやってきた。老舗のうな重!
              満る岡① 
              うな重のメニュー

フタを取ると、きれいな焼き色のうなぎが二枚、横たわっていた。中ぶりのうなぎ。焼き加減が絶妙で、余分な焦げ目がない。いい風情。うなぎの大きさも厚みもまずまず。特上を頼めばもっと大ぶりなのだろうが、ウマズイめんくい村の財政事情を考えると、それはぜい沢に過ぎる。山椒をパラパラと振ってから、まずは肝吸いをひと口。まろやかで上質な味わい。
              満る岡⑤ 
              これこれ
              満る岡④ 
              フタを取る

うなぎに箸を入れる。いい匂いが立つ。ほどよくタレがかかったご飯と一緒に口中へ。九州・鹿児島産のうなぎ。地下水で育ったうなぎは、脂の乗り、ふくよかさともにまずまずの旨さ。やや物足りなさも感じるほどのきれいな味わいで、タレは甘すぎず辛すぎず。ご飯はやや固めに炊かれていて、全体として、上質できれいにまとまったうな重だと思う。
              満る岡⑦ 
              絶妙な焼き加減
              満る岡⑧ 
              裏から失礼します
              満る岡10 
              あ~ん

女将によると、昼用は朝さばいて、夜用は夕方さばいて下焼き(白焼き)しておくそう。上野の老舗「伊豆栄」なども同じ仕込みをしている。それで注文を受けてから焼き始めるので、待ち時間が30~40分ほどで済む。それでも注文してから30~40分はかかる。その間に肝焼きでも頼んで、ぬる燗をちびちびやるのがうなぎに対する礼儀かもしれない。ついボヤキが出てしまった。いけねえ。
              満る岡2 
            タレの加減もほどよい

「それはぜい沢すぎるわよ。村長ったら、昔の癖が抜けないわね。少しは台所事情を考えなさいよ」
ご意見おばさんが村長のボヤキに釘を刺した。イタタタ。

「うなぎの値段が上がってるのに、3000円でこの味わいはマルよ。今年はうなぎを食べれないまま終わるかと思っていたけど、今日は満足満足。ま、ぜい沢言うと、もう少しご飯の量が多いといいけど」
村民2号がお腹をポンポンさせながら、満足そうにうなずいた。
今年もあと2か月弱で終わるのか、そう思うと、村長はちょっぴり憂うつになるのだった。

本日の大金言。

晩秋のうなぎは狙い目である。ほとんど待たずにゆっくりと味わえる。土用丑の日よりもリッチな気分になれる。



                            満る岡12 

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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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