伝説の「丸ごとりんごパン」

 久しぶりに那須高原へ。3.11以降、客足が遠のいていたが、今では少しずつ戻っている。皇太子ご一家が3.11後も変わりなく那須の御用邸に滞在していることも大きい。その那須のアンティークショップで、女主人から面白い話を聞いた。

「雅子さんがあんぱんがお好きで、よくホテル瑠庵(ルアン)のあんぱんを買っていたそうですよ」
「へえー、あんぱん好きとしては聞き流せない。そのホテルに行かなくっちゃ」
「でも、震災後に閉店してしまったんですよ」
「ありゃまあ残念」
「でも、それが別の場所でパン屋として復活したんです。そちらに行ってみては?」
              ルアン② 
              ルアンの看板が・・・

ポンコツ車を飛ばすことにした。那須高原には「NAOZO」や「ペニーレイン」などいいパン屋が多い。りんどう湖方面へと向かうと、テディベアミュージアムの斜め向かいあたりにその「パン・ドゥ・ルアン」の看板が見えた。元祖那須のあんぱんの文字。一軒家のパン屋で、「那須あんぱん」と染め抜かれた白いノレンが下がっていた。時刻は午前11時半。
              ルアン① 
              復活した暖簾

入ると、左手にズラリと焼きたての美味そうなパンが並んでいて、天然酵母パンやバゲットなどの合間に「那須あんぱん」が見えた。大と中と小があり、大はすでに売り切れていた。村長は「中」(420円)を選ぶことにした。ちなみに「小」は220円。もう一つ、村長の目をくぎ付けにさせたのが「丸ごとりんごパン」(580円)だった。リンゴを丸ごと一個包み込んだパンで、その焼き色といい形といい、村長の胸を高鳴らせるに十分だった。恋するりんごパン。
              ルアン③ 
              香ばしいパン
              ルアン⑥ 
              那須あんぱん(中)
              ルアン2  
              丸ごとりんごパン!

右手がカフェコーナーになっていて、そこでこの二つの甘い恋人を賞味することにした。パン好きの村民2号は「これを昼めし代わりにしましょう」。ブレンドコーヒー(300円)も頼んだ。感じのいいパン職人さんに、「これを二つにカットしてもらえませんか」と頼むと、快く引き受けてくれた。
              ルアン5 
              カフェコーナー

白い磁器皿に二つに割った那須あんぱんと丸ごとりんごパンが並ぶ。まずは那須あんぱん。「中」でもフツーのあんぱんの優に2倍の大きさで、頂上には黒ゴマが散りばめられ、表面の卵液のテカりとこんがり感がいい。あんこは粒あんで、ひと目で上質のあんこだとわかった。その厚さは3センチはある。蜜煮した栗が一個入っていた。
              ルアン11 
              おおおの光景
              ルアン7 
              上質が詰まっている

パンの美味さと甘さがかなり控えめな粒あん。大納言小豆のふっくら感。栗のアクセントも効いている。絶妙なあんぱんだと言わざるを得ない。だが、もう一つの「丸ごとりんごパン」のほうが驚きだった。丸ごとりんご一個を使ったアップルパイは珍しくはないが、パンというのは珍しい。しかもその姿かたちの見事さ。
              ルアン⑨ 
              軸までパン
              ルアン12 
              飛び込みたい
              ルアン13 
              見る前にかじれ

紅玉を使い、さらにカスタードクリームとメープルシロップで包んでいる。フォークを使って食べると、蜜煮した紅玉の甘酸っぱさと新鮮なカスタードクリームのバランスが絶妙。口中に広がる幸福感。秀逸なカスタードクリーム。メープルシロップがそこに彩りを加えている。

「パンが美味いわ。それが基本にあって、アップルとカスタードクリームが生きている。ホテル瑠庵でもこの丸ごとりんごパンは人気だったそうよ。移転して味が落ちたという人もいるらしいけど、これだけの味でもし味が落ちたというのなら、元はどれほどのものだったのかしら」
「気になるのは雅子さんが今もここに来ているかだけど、どうも移転復活したことを知らないようだね。パン職人は『ホテルの時は見かけましたけど、こちらに移転してからは見えてないと思います』って話していた」
              ルアン4 
              天国はどこにある?

「それは残念ね。村長のブログを読んでくれたらね」
「まさか。でもいつか噂を聞きつけて来てくれるかもね。それにしても皇太子ご一家の那須御用邸滞在はあまり知られていないけど、さすがだと思うよ。同時に那須高原が震災前の活況を取り戻してほしい。切に思うよ」
「珍しくオチがないわね。明治天皇が木村屋のあんぱんがお好きだったように、皇室とあんぱんは意外に縁が深いのよ。村長とあんぱんの繋がりには誰も関心がないけど(笑)」
「・・・・・・」

本日の大金言。

軽井沢にもいいパン屋が多いが、ことパンに関しては那須高原の方が上だと思う。パン屋探しの旅も悪くない。




                             ルアン6 



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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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