激戦区の「東京豚骨ラーメン元祖」

飲み会の帰り、突然ラーメンが食いたくなって、 東京・池袋で途中下車。池袋は言わずと知れたラーメン激戦区。北口に出て、西一番街をブラ歩きしていると、「天下一品」や「三田製麺所」などの看板が「おいでおいで」していた。だが、村長の目線はその先の「桂花(けいか)」に止まった。池袋に「桂花ラーメン」があったことに驚いた。
              桂花1 
              お懐かしや           

本店は熊本市にあり、1968年(昭和43年)に東京・新宿に進出。醤油ラーメン全盛の時代に、白濁した豚骨ラーメンを東京っ子に知らしめたパイオニア的存在。村長が初めて「桂花ラーメン」を食べたのは、東京の2号店、新宿東口駅前店だった。その旨さに驚いた。白濁した豚骨スープ、茶褐色のマー油、針金のように固いストレート麵・・・そのすべてが初めての体験だった。

醤油ラーメンとも違う。味噌ラーメンとも塩ラーメンとも違う、豚骨ラーメンの出現に珍しさも手伝って通った。歌舞伎町やゴールデン街で飲んだくれた後に行くと、特に旨かった。「魔法の油」マー油の不思議な味わいにハマった。人気がどんどん上昇し、「桂花」の名前はラーメン好きの間では知らないものがいないほどになっていった。
              桂花2 
              桂花西一番街店

「魔法の油」の正体はごま油をベースにした焦がしニンニク油だが、当時はかような摩訶不思議な油を使うラーメン屋は他になかったと思う。今ではこれを真似た店が増えているが。酔いも手伝って、村長はかなり久しぶりにこの味を食べたくなった。店のスタッフに聞くと、「桂花 西一番街店」は去年7月にオープンしたそう。「昔の味と同じだと思います」とスタッフ。即決。定番の「桂花拉麺」(720円)を頼むことにした。
              桂花② 
              これこれ

10分ほどで、白い中華ドンブリにあの白濁した豚骨こってりスープが揺蕩っていた。茶褐色のマー油も健在だった。チャーシューは2枚、中央には完茹での煮卵、メンマ、茎ワカメ、それに刻みネギが浮いていた。昔と同じ構成。熊本ラーメンのいい匂いが発散している。これこれ。
              桂花3 
              思い出の一品
              桂花③ 
              熊本ラーメンの元祖

まずはスープをひとすくい。濃厚な豚骨の匂い。こってりしているが、穏やかで柔らかい旨味。それに焦がしニンニクと焦がしネギの匂いが複雑に絡んでくる。村長はどちらかというと九州ラーメンは苦手だが、この桂花の味は別格だと思う。
              桂花⑨ 
              魔法のマー油
              桂花⑧ 
              麺のシャキシャキ感
              桂花⑤ 
              変わらないチャーシュー

麺は加水の少ないコシの強いストレート中太麺で、オーバーに言うと針金のような歯ごたえ。小麦の風味も昔とそう変わらない。固めのチャーシューもメンマもフツーに旨い。昔と違うのはスタッフの雰囲気とマニュアル感。あっという間に食べ終える。スープを一滴残らず飲み干す。妄想が起きてきた。胃袋の底で山下洋輔が、赤塚不二夫が躍り出す。野坂昭如もマイクを握る。
              桂花⑥ 
              メンマもあるでよ

忘年会のシーズンに入り、外に出ると、サラリーマンやOLのグループが明るいノリで騒いでいた。疾風怒濤の時代はすでに終わっている。だが、しかし。いつまたおかしな状況にならないとも限らない。いやもうなっているのかもしれない。「一億総活躍社会」の隠し文字は「一億総犠牲社会」。「積極的平和主義」は「積極的介入主義」、「状況はコントロールされている」は「情報はコントロールされている」。「軽減税率」は「軽増税率」。嘘は言葉の置き換えから始まる。くれぐれもご用心・・・。

本日の大金言。

豚骨ラーメンのドンブリの底から世界を見る。胃袋と両足を実感すること。相手も同じだと想像すること。強欲を遮ること。扇動者を見分けること。イマジンを聞くこと。やるべきことはまだ一杯ある。

  


                         桂花10 

 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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