築地を超える?大宮市場の穴子天丼

 年末は東京・築地まで買い出し行くことを恒例としていたが、今年は「市場替え」することにした。築地の混みようと観光化にちょっと距離を置いてみようと思ったからである。寿司屋も定食屋も安くない。村長が愛した昔の築地とは様相が変わってきている。で、埼玉の胃袋・大宮市場に行くことにした。

ポンコツ車を飛ばして、午前9時半に到着。駐車場は満杯で、次から次と車が来る。だが、エアポケットのように、1台分だけ空いていた。激動のバッドなひつじ年だったが、最後はラッキーで終わるか? 魚市場でマグロや毛ガニなどを買い、築地に比べて観光化されていない年末市場の風景を楽しむ。本マグロの頭がゴロゴロ転がってもいる。大宮市場には築地が失った昭和の風景がある。こうでなくっちゃ。
              大宮市場2 
              年末の大宮市場
              大宮市場 
              穴場である

午前11時になったので、少し早いランチを取ることにした。「キッチンニューほしの」や「花いち」などの人気店にはすでに行列ができている。食堂の数は東西合わせて十軒ほど。千住の足立市場とそう変わらない数だが、その中に掘り出し物があるかもしれない。むろんハズレもある。村長は店の佇まいや入り口を重要視する。
               
ヘボ探偵のように、店の前を何度も行ったり来たりして、「いい店かどうか」をチェックする。テレビに出たとか、タレントの誰それが来たとかをこれ見よがしに店頭に張っている店は村長の好みではない。一軒が気になった。「御食事 藤よし」の質素でシンプルな看板と店構え。行列もない。カレーライスから豚カツ、魚定食、中落ち丼、うどんまで守備範囲が広いが、どこかひそかなプライドを感じる。ここに決めたっと。
              藤よし 
           いい店が隠れている

店内はテーブル席(4人掛け)が八つほどとちょっとしたカウンター席があり、正面奥が広い厨房になっていた。「いらっしゃいませ」という掛け声がいい。美人女性店員さんのきびきびした動きもいい。厨房では店主らしい白衣の男性と数人のスタッフがとんかつやアジフライを揚げていた。職人の気配。これは当たりかもしれないぞ。
              藤よし③ 
              昔の築地?
              藤よし② 
              こうでなくちゃ

メニューの中から「穴子天丼」(870円)を選んだ。10分ほどで「穴子天丼」がやってきた。大きなドンブリに盛られた穴子天は一つ一つが大きく、揚げ立てのいい匂いを放っていた。数えてみたら折り重なるように三つ。それにピーマン、カボチャの天ぷら。コロモとタレのかかり具合が悪くない。ひと目でスグレモノとわかった。みそ汁とお新香付き。
              藤よし④ 
              おおおの登場

みそ汁をすすってから、穴子天をガブリと行く。みそ汁はさほどではないが、穴子天はコロモがカラリと揚がっていて、それがいい歯触りとして伝わってきた。タレは甘めでほんの少しドロリとしていた。穴子の柔らかな旨さ。予想以上の味わい。築地なら870円では多分食べれないだろうな。ムフフフという笑みが自然に漏れてくる。
              藤よし⑦ 
              予想以上の味わい
              藤よし⑧ 
              生穴子を使用
              藤よし2 
              カボチャもある
              藤よし⑨ 
           まさかの会津産コシヒカリ

炊き立てのご飯はやや固めに炊かれていて、タレが絶妙に絡んでくる。「キッチンニューほしの」に続くいい店を発見した気分。これ見よがしに宣伝していないのも好感。ボリュームもかなりある。みそ汁とお新香にやや課題は残るものの、大いなる満足感を抱えて、舌代を払う。そのときに、女将らしき女性と雑談。

「大変旨かった。穴子が気に入りました。最近は冷凍物を使った店も多いようですね」
「穴子はもちろん生を使っています。近海の穴子です」
「米がまたいいですね。大宮なので、彩のかがやきですか?」
「いえ、会津産のコシヒカリを使ってます」
「へえー。道理で旨いはずだ」

祖先が会津藩足軽の村長にはうれしい結末となった。世界情勢の混沌度はさらに深まっているというのに、大宮市場の片隅であまりに平和な時間が流れる。戊辰戦争の記憶を忘れてはいけないのに・・・。

戊辰戦争と太平洋戦争は一足飛びで繋がっていると思う。トップが無能だと、会社も庶民も国民も不幸になる。そして、それを支えているのも庶民であり国民であるという現実。歴史は繰り返すのか? あれほどの福島の原発事故も沖縄も教訓に成り得ていないとは・・・。

本日の大金言。

中央市場よりどこか物悲しい地方の市場。たまには目線を変えて見ることも必要だと思う。狂騒のテレビを止めて、ローカル市場に行こう。麻痺しつつある現実感覚を市場の中から取り戻す。そのための年末だってアリだと思う。


                        藤よし11 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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