江戸切り羊羹「紅練」の事始め

本日は世間的には 仕事始め。村長の仕事始めは江戸切り羊羹「紅練(べにねり)」である。寒天と砂糖を使った練り羊羹(ようかん)と言えば、虎屋が有名だが、寛政年間以降の江戸では鈴木越後、金沢丹後、船橋屋織江などが隆盛を極めていたようだ。特に鈴木越後の羊羹は高級羊羹の代名詞で、武家社会などでは上司に鈴木越後の羊羹を出すことがステイタスになっていて、値段が安めの金沢丹後を出したら、出世に響いたという嘘みたいな逸話もある。
               2016我が家玄関 
               サル年の事始め

寒天と砂糖が一般化した江戸時代中期以降の羊羹の面影を残すのが佐賀・小城羊羹。本日取り上げるのはその中でも老舗の村岡総本舗の昔ながらの切り羊羹である。佐賀・小城市は人口4万4千人ほどの小さな街だが、羊羹屋が二十数軒もある。知る人ぞ知る羊羹の町。

東京・日本橋高島屋B1「味百選・銘菓百選」で、村岡総本舗の昔ながらの切り羊羹を手に入れることができる。ここは村長にとっては夢のエリアでもある。種類が小倉、本煉、紅練など数種類あり、一昨年の10月に「小倉」をゲット、このブログでもご紹介したが、その時「紅練」が売り切れていて、心残りとなっていた。
               日本橋高島屋地下 
               夢の世界(東京・日本橋)
               小城羊羹② 
               村岡総本舗の羊羹!

その「紅練」(1本税込み801円)をほぼ二年越しでゲットした(単に忘れていただけだが)。江戸時代の和菓子の記録にも「紅練」は残っていて、おそらく今回手に入れた「紅練」羊羹も江戸の昔の姿そのままではないか、と思うのだ。そう考えた方が夢もある。紅色は縁起のいい色で、魔除けの意味もある。
               小城羊羹② 
               江戸時代へ!
               小城羊羹③ 
               経木と竹の皮
               小城羊羹⑤ 
               た、たまらんのう

「すごい色ねえ!」
村民2号が目を見張った。ふふふふと村長。エンタメ新聞社の宮仕え時代に、近くの喫茶店のママから貰って食べたのがこの「紅練」で、村長も初めて見たときはその姿に驚いたものだ。

包装が三重になっていて、外側の包みを解くと、木のいい香りとともに経木(きょうぎ)が現れる。さらに解くと竹の皮が現れる。その先に「紅練」がある。糖化して表面が白くひび割れている。製法が江戸時代のやり方を踏襲している。寒天と砂糖を加えたあんを舟型の木枠に流して、固まったら包丁で長方形(一棹ずつ)に切り分けていく。時間とともに表面が白く糖化していく。
               小城羊羹⑥ 
               焦ってはいけない
               小城羊羹1 
               糖化した表面
               小城羊羹⑦ 
               夢の中へ

「紅練」は備中産の白小豆と北海道産大手亡豆を使い、天然色素で紅色に染めている。そうして出来上がった「紅練」を正月に賞味する。幸せな事始め。口に入れて歯を立てた瞬間、表面の砂糖がガサリガサリと音を立てる。この感触がたまらない。中の羊羹はしっとりしていて、むしろ淡泊できれいな味。甘さもほどよい。白小豆の風味が口中に広がる。
               小城羊羹⑨ 
               あ~ん
               小城羊羹2 
               天国か?

「日光『ひしや』の羊羹もこれと同じ江戸時代の製法だけど、練り羊羹しかない。かような紅練は日本でもここのものしかないのでは?」
「ちょっと感動ものね。正月らしいわ。でも、村岡総本舗は明治32年創業でしょ? 江戸じゃないわ」

「細かいことはこの際目をつぶろう(笑い)。江戸時代の作り方を踏襲しているのは確かだ。小城市のある長崎街道は出島の砂糖を京都や大阪、江戸に運ぶ砂糖の道だったらしいよ。だから、羊羹が発達した。次は小城市に行かなくちゃ」
「そこまでは付き合えないわよ。ことしもどうぞお一人で妄想旅行を続けてくださいな」

「サル年だけに、去る者は追わずってか?」
「猿の後ろに猿回しがちゃんといるのよ」
「・・・・・」

本日の大金言。

和菓子の原点は饅頭、餅、それに羊羹だと思う。だが、謎の多い世界でもある。たかが和菓子、されど和菓子。今年も旅は続く。



                        小城羊羹11
 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR