天海大僧正と「極上親子丼」

 ポンコツ車を走らせて埼玉・川越「喜多院」まで天海大僧正(慈眼大師)に会いに行く。まさかね。天海僧正は戦国の世に生まれ、徳川家康の側近(精神的師匠?)として仕え、秀忠、家光三代に渡って多大な影響を与えたお方。日光東照宮を造り、東照大権現として家康を祀(まつ)ったことでも知られている。にわかには信じられないが、107歳まで生きたという説もある。喜多院は天海が第27世として住持した天台宗のお寺。
                                 喜多院① 
              天海大僧正さま~

出自については多くを語らなかったようだが、会津高田出身という説が有力で、没落した蘆名(あしな)一族らしい。最澄や空海に論争を仕掛けた徳一といい、歴史において陸奥国会津の存在感は意外に根っこが深い。戊辰戦争では一敗地にまみれたが、会津はほんの時たま異能の天才が出るらしい。近年では小室直樹さんか。

くだらない前口上はこのくらいにして、本日のメーンディッシュを俎上に載せることにしよう。通称蔵通りから少し入った仲町「小江戸 オハナ」の「極上親子丼」(1200円)である。川越でも人気の卵料理専門店で、如何にもの蔵造りの店の前には5~6人ほど並んでいた。店の中にも5人ほど。川越は今や年間658万人(平成26年度)もの観光客が訪れる人気スポット。待つのは嫌いだが、見かけ倒しの店が多い川越の人気店なるものをこの目と舌でじっくり味わってみるのもオツかもしれない。
                                 オハナ5 
              人気店「オハナ」

自分で「極上親子丼」と名乗るのも凄い。約30分ほどの待ち時間で、店内へ。今どき受けそうな、悪くない造り。テーブル席に腰を下ろして、「極上親子丼」を頼んだ。「昭和のオムライス」(1300円)や「貴婦人の卵サンド」(850円)にも心を動かされたが、悲しいかな胃袋は一つしかない。BGMはアメリカンポップス。
                                 オハナ④ 
              極上親子丼だべ
                                 オハナ4 
              如何にもがたまらない?

7~8分ほどで、黒いお盆に乗った「極上親子丼」がやってきた。朱塗りの立派なドンブリと鶏スープ。蓋を取ると、見事な色味の卵の世界が湯気を立てて広がっていた。ふわとろ、黄身と白身がまんだらに入り組んでいる。甘いいい出汁の匂い。七味をパラリ。まずは鶏スープをひと口。あっさりとした塩味で、奥深さはない。続いて、メーンへ。朱塗りのレンゲで卵の海をひとすくいして口中へ。思わず、はひふへほお~。
                                 オハナ⑤ 
              極上親子丼さま~
                                 オハナ⑥ 
              ご開帳だっぺ~
                                 オハナ⑦ 
              一味をパラリ

かなりのツユダク。甘めの醤油味で、こちらは出汁がそこそこ効いている。7種類の出汁を使っているそうだが、悲しいかなそれを感じる舌がない。だが、悪くない味わい。卵は3個使っているそう。鳥肉はもも肉と胸肉2種類だろう、それが惜しげもなくごろごろと潜んでいた。地鶏を使っているそうだが、「タマシャモ」なのかは不明。歯ごたえがとてもいい。上質の味わいであることは確か。
              オハナ⑨ 
              美味の予感
              オハナ⑧ 
              地鶏がゴロゴロ
              オハナ1 
              オジヤではありません

東京・人形町「玉ひで」の元祖親子丼と似ているが、それよりもツユが多い。オジヤのようでもある。ご飯の旨みがわからないほど。このあたりは好みの別れるところだが、村長はもう少しツユの量は抑えた方が好み。茅場町「鳥ふじ」の親子丼を横綱としたら、関脇くらいの味わいだと思う。観光地としては上出来の満足感。
              オハナ10 
              ツユの海~


天海僧正は「気はながく 勤めはかたく 色うすく 食ほそうして こころひろかれ」という言葉を残している。その反対だった自分の足軽人生をついつい省みる。どこか西の方から「ま、会津の出といってもピンからキリまでいろいろありまんなあ。ぐひぐひぐひひっひ」という有難い声が聞こえてきた。こりゃ得度するしかないかもなあ。

本日の大金言。

川越にも外国人観光客がわんさと来ていた。中国人の多さも目立った。日本人の、いや人間の棲み分け能力が試されている。ドンブリの中の親子丼の未来。「ホテルルワンダ」の教訓。



                            オハナ2
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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