奇跡?「5千円ブランチ」の満足度

「ビッグサプライズ」という言葉は軽薄で嫌いだが、大きな驚きが起きてしまった。花のお江戸で修業中のキオから村民2号宛てにメールで「臨時ボーナスが出たから、たまにはおごってあげるわよ」。初めての出来事。ウマズイめんくい村は上を下への大騒ぎ。村民2号は「どうせならステーキがいいわ」とキオに返信した。さすがは親子。村長は和食を希望したが、却下されてしまった。

キオがセッティングしてくれたのが、東京・丸の内の新丸ビル6Fにある「ソルト」だった。オーストラリアシドニーの名シェフ・ルーク・マンガンのレストランで、1970年代にパリで起きたヌーベルキュイジーヌ(新しい料理)の流れを汲むレストラン。調べてみたら、シドニーとニューヨークに店を持ち、新丸ビルがオープンした9年前に日本に初出店した記念すべき店だとわかった。
              ソルト① 
              「ソルト」の塩加減は?

ブランチコースの中で一番高い「5000円コースを予約しといたわよ」とキオ。
「奮発したなあ。2000円くらいのコースで十分だったよ」と村長。
「何言ってんのよ。キオには昔から随分高い料理をごちそうしてるのよ。少しくらい返してもらわなくちゃ」と村民2号。
「ああ恥ずかしいわ。店の前で、ごちゃごちゃわめかないでよ」キオが慌てる。
              ソルト② 
              5000円ブランチ

久しぶりの高級レストラン。どうやら一番見晴らしのいい席を取っておいてくれたようで、眼下には皇居が見えた。少々遠慮して、村長は「プレミアムモルツ」(900円)を頼んだ。村民2号とキオはフルーツジュース。そこからが驚きの連続だった。オーストラリア料理と聞けば、大雑把な味というイメージが強いが、新しい流れは想像を超えていたと言っていい。
              ソルト4 
              黄金の泡?

フレンドリーなスタッフの応対に感心していると、5000円コースがゆっくりとやってきた。最初に登場したのはイタリアのパン「チャパタ」とオリーブオイル。むろん自家製パンで、小麦と麦芽の香ばしさがとてもいい。これでこの店の実力がわかった。
              ソルト③ 
          チャパタとオリーブオイル

前菜の前のアミューズ(ひと口のお楽しみ)がスプーンに乗った逸品。オーストラリア産の鱒と薄切りの大根、その上にキャビアがちょこんと乗っていた。それにホワイトソース。かなり凝ったもので、素材の良さと繊細な味わいに村民2号の声もない。「オーストラリア料理のイメージが変わったよ」と村長。
              ソルト④ 
              ひと口のお楽しみ

続いて「西オーストラリア産海老のスチーム」が登場。海老の鮮度とヨーグルトソースが悪くない。間を置いて、「ウズラのオージーバービースタイル」。鶏ではなく、ウズラのもも肉とナスのみそ焼き。「あら、ウズラの卵かと思ったら、肉だった。柔らかくてとても旨い。ナスのみそ焼きも気に入ったわ」いつもの辛口が消えた村民2号。
              ソルト⑤ 
              オーストラリア産海老
              ソルト⑥ 
              ウズラのもも肉

村長が最も感心したのはメーンの「オーストラリア産仔牛のロースト」。肉自体の柔らかさと肉汁感がマル。付け合わせの赤カブの赤ワインソース、それに京風の白カブ煮の組み合わせが秀逸。さらに栗のペーストをサンドしたジャガイモの凝りよう。
              ソルト⑧ 
              仔牛のロースト、登場
              ソルト⑨ 
              柔らかな喜び
              ソルト11 
              デザートも凝っている

「デザートの白いフォンダンショコラも文句がないわ。コーヒーも鮮度がよく、美味いわ。これで5000円は高くはない。器の素晴らしさにも感心。ひと昔前なら1万円コースの満足度だわ。キオに感謝しなくっちゃ」と村民2号。

「気にしなくていいわよ。それよりもうすぐ私の誕生日だから、そのときは・・・バッグが欲しいかなぁ」とキオ。

イモの煮っ転がしでも作っておくわよ。腕によりをかけて、ね」すかさず村民2号。

「何という親子だ。次がどうなるか、心配になってきた」
村長は窓の外を見る。皇居がかすんでいる。陛下は大丈夫だろうか?

本日の大金言。

人生は谷ばかりではない。むろん山ばかりでもない。当たり前のことが当たり前でなくなる。そんな日もあることが心に滲みることだってある。人生のソルト(塩)・・・。




                           ソルト13 





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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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