古墳級の隠れ「みそらーめん」

 さきたま古墳群までポンコツ車を飛ばしたその足で、国道17号線(中山道)にあるラーメン屋の暖簾をくぐることにした。麺類とワインに給料の半分を注ぎ込んでいるフィリプス君の情報では埼玉でも意外に知られていない名店の一つ。

「味噌ラーメンが旨いよ。村長がホメていた先日の東京・京橋の味噌ラーメンと比べてみるといい。無化調の出汁で、店長のこだわりは半端ではない。10年続けているから本物だと思うよ」
どんな店でも10年しっかりと続けて初めて認める、話題先行のぽっと出のラーメン屋などは論外、そう豪語しているフィリプス君の舌はある程度信用できる。たまにハズレもあるが。
              くりやらーめん① 
              隠れ名店か?

その店が「くりやらーめん」だった。「純天然だし」の看板とやや古めの洋風一軒家。純天然だし、とは今どき珍しい表記で、店主の一途な思いが伝わってくる気がした。調べてみたら、オープンしたのは2004年で、11年ほどの歴史がある。「くりや」は英語の「クリア」から来ているそう。
              くりやらーめん 
              クリアできるか?

店内は磨き抜かれたウッディーな造りで、山小屋風の喫茶店のよう。面白い造りのカウンター席が16席ほど。対面が厨房になっていて、そこに店主が静かに麺づくりに励んでいた。多分夫婦だろう、女将が水を運んできた。丁寧な応対がこの店のポリシーを感じさせる。付け焼刃の匂いはない。村長は「みそらーめん」(税込み780円)を頼んだ。
              くりやらーめん12 
              スキのない厨房
              くりやらーめん③ 
              メニューを見る

10分ほどで、白い大きめのどんぶりにたっぷり入った味噌ラーメンがやってきた。ひと目で本物と理解できた。モヤシとネギはフツーだが、手づくりの見事なチャーシュー、メンマの存在感。それに脂の浮いた茶褐色のスープ。チャーシューは手切り感にあふれていて、4~5枚はある。メンマは竹の子の穂先まで使っていて、自家製のこだわりが見て取れた。
              くりやらーめん⑥ 
              みそらーめん、登場
              くりやらーめん⑤ 
              ぽっと出ではない

まずはスープ。豚骨、鶏ガラをベースにして魚介類の出汁も取っている。味噌は数種類ブレンドしていると思う。脂と魚介のまんだら模様と細かいあぶく。見た目は濃そうだが、最初のアタックは意外なもの。物足りないほど穏やかな味わい。無化調を基本にしているためだろう、添加物になれた舌にはやや物足りないかもしれない。
              くりやらーめん⑧  
              無化調のスープ

豚バラチャーシューの柔らかな旨みに感心。メンマの柔らかなシャキシャキ感も好感。麺は黄色みが強い中太縮れ麺で、コシと歯ごたえが札幌ラーメン横丁の名店と遜色ない。スープがよく絡む。ボリュームがかなりある。味の濃い京橋の「どみそラーメン」と比較はできないが、無化調でこれだけの味噌ラーメンをしっかり作り続けていることは評価に値する。
              くりやらーめん1 
              手切りのチャーシュー
              くりやらーめん⑨ 
              メンマの凄味
              くりやらーめん10 
              特注麵のコシ

「これだけ手づくり感がある味噌ラーメンが埼玉で食べれるとはね。知らなかったとはいえ、恥ずかしいなあ」
女将に言うと、「麺だけは自家製ではないんですよ。特注麵です。麺だけは専門家に任せた方がいいと思いましてね。他にも旨いラーメンがありますので、また食べに来てくださいね」と微笑んだ。門前仲町「こうかいぼう」の女将を思い出した。

店はもともと喫茶店だったものを改装したそう。個人的にはさきたま古墳群の近くで、古墳級のラーメン屋(?)を発掘した思い。フィリプス君のしてやったりの顔が浮かんで、慌てて頭を振った。それから村長はすっかり温まった体を寒風の中に押し出すのだった。春よ、早よう来ておくれやす。

本日の大金言。

添加物の時代に無化調ラーメンはむずかしい。物足りなさと紙一重の世界。それをクリアするには店主の腕がポイントであることはむろんだが、客の舌も同時に問われることになる。先は長い。



                          くりやらーめん11
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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