メコン河のつぶやきと風船餅

 「ディズニーランドみたい!」
メコン河ジャングルクルーズの途中で、東京から来たという女子大生二人組が無邪気に叫んだ。卒業旅行だそう。親しくなった村民2号が「確かに。ディズニーはここの真似をしたのかしら」とうなずく。村長はこの女子大生二人組をひそかにPUFFYちゃんと呼んだ。由美と亜美に似ていたからだ。
              メコン河② 
            メコン河で乗船
              メコン河① 
              支流でジャングルクルーズ

舞台はメコン河の支流。熱帯樹が密集する中を前後二人のおばはんとオッサンが一本のパドルを器用に操る。帰ってくる小舟とあちこちぶつかりながら、何とかバランスを保っている。だが、そのたびに小舟が左右に大きく揺れる。冷や汗が出かかる、おばはんとオッサンの表情が真剣そのもので、観光コースとはいえ、このクルーズがそれほど安全だと安心していれないことがわかる。黄土色の河の底の泥に潜む巨大ナマズは何思う?
              メコン皮② 
              予想以上に揺れる

メコン河は全長4023キロ、長さは世界10位だが、雨季の水量はアマゾンに次ぐ世界2位の巨大河川で、チベットを源流として、中国雲南省、ミャンマー、ラオス、カンボジアなど5か国にまたがる。すぐ下にピラニアがいないだけでも幸せだと思うしかない。村長は船首のおばはんのすぐ後ろ。このおばはん(といっても初老だと思う)が曲者で、時折、パドルを操る手を止めて、村長の方を振り向いてはフウーッとため息をつきながら、哀しそうに微笑む。汗が光っている。村長も微笑み返す。ベトナム戦争終結当時、このおばはんは何歳だったんだろう? ロバート・キャパの写真が頭をよぎる。
                 
              メコン河④ 
              メコン河

その微笑とため息には大変な労力と生活のかかった長い日々が見て取れる。いい気な観光客など立ち入れない世界。しばらくして、深いため息と同時に何事かつぶやいているのがわかってきた。目は合わせない。最初、それは「ちゃぷちゃぷ」と聞こえ、村長も「おー、ちゃぷちゃぷ、波ちゃぷちゃぷ、アイ・アンダースタンド」などとほとんど無意味に調子を合わせていたが、突然、それは「チップ、チップ」と言っているのではないか、と気づいた。聞こえるか聞こえないくらいの微妙なつぶやき。絶妙なタイミング。村長はこのおばはんの技に敬意を表したくなった・・・・。完敗です。
              ミト―② 
              わははランチ(メコンレストストップ)

メコンデルタの町ミトーでランチとなった。メコン河クルーズでは定番の店で、一日1000人~1500人の観光客の胃袋を満足させている。「メコンレストストップ」という店名で、ここで食べたランチコースも悪くなかった。ホーチミン料理の実力をここでも確認することとなった。ちなみに一見したところ客の約半分は欧米人。残りは日本人とアジア人。中国人は意外に少ないと感じた。
              ミトー③ 
           アオザイはセクシーだ
              ミトー④ 
              巨大レストラン

野菜スープから始まって、魚のすり身揚げ(チクワと似ていた)、エレファントイヤーフィッシュの姿揚げ(メコン河ティラピアで味は鯛そっくり)、焼き海老、揚げ餅ボール、ミトー風スープ麺、フルーツ、お茶(ハス茶)というコース。むろん、地元でも人気のビール「333」(4万5000ドン=約225円)もしっかり頼んだ。これは別料金。
              ミトー⑥ 
              このコースなのだ
              ミトー⑦ 
              ワシもビール飲みてえ

村長が最も気に入ったのは揚げ餅ボール。ベトナム語ではティンテイエン。むしろ「風船餅」と表記した方がピッタリくる。米粉をココナッツオイルにつけて餅のようにし、それを油をたっぷり引いた中華鍋で少しずつ膨らませていったもの。コックの腕が必要。もうもうと立ちのぼる煙の中で、次第に風船のように丸く膨らんでいくさまは見ていても心躍る。
              ミトー⑤ 
              風船餅のワザ
              ミトー10 
              モスラの卵?
              ミトー11 
              ハサミでチョキチョキ
              ミトー13 
              日本の餅みたい
              ミトー15 
              タレは3種類

女性スタッフがハサミで上手に切り分けると、底の部分が餅になっていた。外側はカリカリ。薄甘い味が付いていてそのままでも美味いが、3種類のタレで楽しむとその美味さがさらに引き立つ。ミトー名物で、村長も初体験の味わい。世界と同じように料理の世界も驚くほど広い。この他にもいろいろ付いて、バス代も込みで3000円(福春プラン=オプション)というのは安いと思う。悠久のメコン河とつぶやきおばはん、そして風船餅・・・村長の心もメコンの空とともに風船となった。

本日の大金言。

メコン河には850種以上の淡水魚と流域には6000万人以上の人類が生活しているそう。だが、ここにも自然破壊とダム建設の波が押し寄せつつあるようで、経済成長と人間も含めた生態系の問題が差し迫っている。メコンは沈黙するのみだが。



                        メコン河⑦  






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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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