ただ一軒「づんだ餅」頂点の味わい

 今回の東北ポンコツ旅の食べ納めは杜の都・仙台の「ずんだ餅」。3.11後ほぼ4年かけて修復した青葉城公園を見てから、ポンコツ車をプカプカ走らせ、中央郵便局近くの有料パーキングに止める。仙台は大小有料パーキングがやたら多い。東北随一の都会であることを改めて実感する。

以前から一度行ってみたかった餅専門店「村上屋」は裏手の通りにある。ここは知る人ぞ知るずんだ餅の老舗。全国展開している「ずんだ茶寮」とは一線を画し、ひたすら孤塁を守り続けている。餅屋の暖簾を下げたのは明治10年(1877年)だが、それ以前は伊達家の菓子司だったようだ。
         村上屋 
         暖簾を広げない

村長が衝撃を受けた京都・北野天満宮そば「粟餅所 澤屋」(創業天和2年=1682年)も暖簾を広げず、一か所で代々粟餅を作り続けている。その歴史の凄み。「村上屋」も同じ匂いがする。

思ったよりも小さな、地味な店構えで、店先には屋号のように大きく「餅」という文字が見える。ずんだ色のきれいな暖簾が下がっている。期待で胸がときめく。店内は豆大福やくず餅などの餅菓子類が並べられ、左側に木のテーブルが4つほど。店内でも食べれるのがうれしい。
         村上屋2 
         どれにすっべか?
         村上屋② 
         メニュー

時刻は午前11時過ぎ。ランチの前のデザート(ん?)というわけである。村長はむろん「づんだ餅」(税別610円)を選んだ。「ランチの前のデザートなんて冗談じゃないわよ」と言っていた村民2号は、店の本物感に方針を撤回、「三色餅」(づんだ、くるみ、黒ごま 同640円)を頼んだ。

一般的には「ずんだ餅」だが、この店だけは「づんだ餅」と表記している。枝豆を搗(つ)いて砂糖を加えたものがずんだなので、意味的にはこの店の「づんだ」が正しいと思う。老舗のこだわりに舌を巻く。
         村上屋⑤ 
         最高峰か?
         村上屋④ 
         こちらは三色餅

10分ほどで、お茶が置かれ、角盆に乗った「づんだ餅」がやってきた。黒い陶製の器に、ずんだ餅が3個ほど。きれいな淡い色のずんだ餡が下の餅を覆い隠している。箸休めの紫蘇の実の小皿。ポエム。どこか気品のあるずんだ餡の香りが鼻先を撫でるように「おいでおいで」をした。脳の中枢がヨロとよろめくのがわかった。うむむ。
         村上屋3 
         づんだ餡の洗練

ひと口。冷たいずんだ餡の粒のきめ細やかさに驚く。自然で淡い甘さ。「ずんだ茶寮」などの野暮ったいほどの粒つぶ感と甘さとは別世界の洗練された味わい。村長は野暮ったいずんだ餅も大好きだが、この洗練感も捨てがたい。
         村上屋⑧ 
         たまらん
         村上屋⑦ 
         餅の伸び
         村上屋10 
         伝統の重み

女将さんらしき女性によると、「枝豆の薄皮をひとつひとつ丁寧に取り除いている」そう。それがフツーのずんだ餅とはひと味違う、なめらかできめ細やかな「づんだ」を作っている。さらに餅の柔らかさとほどよいコシ。そのバランスが絶妙と言わざるを得ない。
 
ずんだ餅は田舎娘で、づんだ餅はお姫様ってところかしら。好みの問題よね。でも、村長には申し訳ないけど、私はくるみ餅の美味さに惹かれたわ。こんなに美味いくるみ餅は初めてといっていいくらい」

「暖簾のプライドを感じるなあ。田舎娘もお姫様も両方大好きだけど、確かにくるみ餅の美味さは衝撃的だな。単純に比べるのは難しいけれど、京都『澤屋』が西の横綱だとしたら、ここは東の大関クラスだと思う。この味はずっと守ってほしいよ」
              村上屋12 
        「ずんだ」じゃないよ~

「当代は4代目で、跡継ぎがいないそうよ。暖簾の伝統が終わらないことを祈るばかりだわ」
「もし仙台からこの店の暖簾が消えるようなことになったら、日本の損失だよ。首相の代わりはいるけど、この暖簾の代わりはいない」
「確かに。村長の代わりはいくらでもいるけど、私の代わりはいないようなものよね」
「・・・・・・」

本日の大金言。

ずんだ餅は岩手南部、宮城、山形、福島などの郷土料理だが、今やその美味さは全国にまで広がっている。ずんだおはぎやずんだ団子などもスーパーなどで売られるようになった。東北食文化の素晴らしさの一つで、3.11後もその魅力は広がっている。イケイケずんだ!



                仙台②
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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