池袋の「和風フレンチトースト」

 一週間ほど時計をさかのぼるが、天空先生と酔拳官長、それに赤門翁と東京・練馬で待ち合わせて、翻訳家のM才女行きつけの蕎麦屋「176」で会食した。

ビールを飲み、はも天をつつきながら、盛り蕎麦をたぐる。ぜい沢なひと時だった。M才女は思ったよりも元気で、その後2時間ほど歓談して、三々五々別れた。5つの人生がそれぞれの人生へとばらけていく。5色のビー玉がばらけるようなもの? 一寸先は誰にもわからない。感慨深い思いが沸き起こってくる。
         三原堂 
         池袋三原堂

その一つ、くすんだ色のビー玉村長が向かった先は池袋西口の「三原堂」。人形町「三原堂本店」(明治10年創業)から、昭和12(1937年)年に暖簾分け。一階がどら焼きなどの和菓子売り場で、2階が喫茶室となっている。村長は人形町の本店にはたまに行っていたが、池袋の方は初めて。
         三原堂② 
         パラダイス?
         三原堂① 
        これこれ

狙いは喫茶室の「和風フレンチトースト」。コーヒー付きで870円(税込み)。老舗和菓子屋のフレンチトーストというのは珍しい。以前から一度食べてみたかったもの。

「少しお時間を頂きますが」と女性スタッフ。注文を受けてから作っているようで、待ち時間はかなり長く、到着まで20分はかかった。コーヒーではなく、紅茶にしてもらった。
         三原堂1 
         20分待ち

「フレンチトースト」は想像以上に本格的なものだった。牛乳と卵液にしっかりと漬けられた食パンが4切れ。フライパンでこんがりと焼かれていて、その上からパウダーシュガーがかかっていた。見事なあんことバニラアイスが添えられていて、思わず「こりゃ絶景だわ」と叫びたくなるほど。さらに黒蜜がたっぷり入った容器が。ポエム、ポエム。
         三原堂⑤ 
         ポエムだっぺ
         三原堂11 
         本格的だった

フレンチトーストは噛んだ瞬間、バターの風味が立ち上がり、それだけでも美味い。バニラアイスはそれなりだが、あんこが風味も含めて申し分ない。さすがは老舗和菓子屋のあんこという他ない。

いくつかの組み合わせを楽しむ。至福の時間。黒蜜をかけると、美味さの陰影が広がった。黒蜜はそれぞれの個性を殺してしまうことが多いのだが、どうしたことかそれがない。それどころか1+1が3になるような旨みを与えている。黒魔術でもかけたとしか思えない。これを作った人に感謝せねばなるまい。
         三原堂10 
         黒蜜の魔法?
         三原堂⑧ 
         あんこの実力

すっかり食べ終えると、向かい側の「粟ぜんざい」を惜しむように食べていたおばはんと目が合ってしまった。おっさんがフレンチトーストを食べているなんて、とあきれるような眼差し。粟ぜんざいの人生とフレンチトーストの人生。それがほんの一瞬だけ交錯する。穴があったら入りたい。すぐに目をそらす。どうってことのない池袋のどうってことない一コマだが、それがなぜか愛おしく思えるのだった。こりゃ、ハレンチトースト?かもなァ。

本日の大金言。

フレンチトーストまで和風にしてしまう。日本食文化の柔軟性。明治期にあんぱんを発明した日本人のアレンジ能力の伝統は今も衰えていない。




                三原堂12 

 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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