江戸の余韻と微妙な「深川めし」

 久しぶりに東京・清澄白河にある「江戸資料館」へ。エンタメ新聞社時代に何度か足を運んだ場所。江戸末期の深川周辺の下町を再現した世界にどっぷり浸かる。物売りの声がポエム。
         江戸資料館 
   江戸のシンプル生活(江戸資料館で)

その足で、深川めしの名店の一つと言われる「釜匠(かましょう)」で遅いランチを取ることにした。来る途中で、どこか深川めしの穴場はないか、見るからに下町のオヤジに聞いたら、しばらく考えてから「この時間だと『釜匠』がいいよ。安くて、アサリがビックリするほど一杯入ってる。3時で終わるから急いだ方がいいよ」と教えてくれた。
         深川釜匠1 
       深川めしの名店「釜匠」

「釜匠」は穴場というより、観光客も多い有名店だが、時間が遅かったので仕方がない。滑り込みセーフ。入り口には金色の飯炊き釜が置いてあり、「深川めし」の幟(のぼり)がゆらりとはためいていた。店構えは悪くない。

「あまり時間がありませんけど、いいですか?」
と40代くらいの女性スタッフ(若女将?)が声をかけてきた。ややおきゃんな雰囲気の美人。
「あいよ、ぶっかけめしだから急いで食べますよ」
軽い冗談で答える。
         深川釜匠② 
         安いか高いか

2階もあるようだが、1階のテーブル席に腰を下ろした。雑然とした造りで、4卓ほどしかない。深川丼ではなく、「深川めし」(税込み1050円)を頼むことにした。深川丼はぶっかけ、深川めしは炊き込みご飯。元々は漁師飯で舟の上でささっとかっ込んだもの。昭和37年(1962年)に江戸時代から続く漁業権を放棄してから、この一帯で食べられていた深川丼も深川めしも消えて行ったという歴史がある。

それが復活したのはどうやら「江戸資料館」や「芭蕉記念館」が開設した昭和60年前後からのようだ。深川めし振興協議会もでき、それに加盟している店は周辺に13店舗ほどある。それぞれに店独自の作り方がある。
         深川釜匠③ 
         深川めし、登場

4~5分ほどで、「深川めし」がやってきた。早すぎる。みそ汁、昆布の佃煮付き。深川めしは朱塗りのドンブリに収まっていた。刻み海苔、ネギが中央にどっかと乗っていた。その下にはアサリの炊き込みご飯がいい盛りで控えていた。具はアサリとしめじだけ。アサリの出汁のいい匂いがそこはかとなく漂う。
         深川釜匠④ 
         炊き込みご飯
         深川釜匠2 
         絶景やなあ
         深川釜匠⑤ 
         食欲が出る

だが、ひと口食べると、かなりの薄味で、ご飯が思ったよりパサパサしていた。それはそれで悪くはないのだが、炊き込みご飯自体がすっかり冷めていた。おこげがあるのは好感。アサリはふっくらしていたが、たまたまなのか量はそれほど多くない。下町オヤジが「ビックリする」と言ったほどビックリはしなかった。時間がギリギリだったことがアサリの量に影響したのかもしれないぞ、そう思うことにした。
         深川釜匠⑨ 
      ふっくらアサリとしめじ
         深川釜匠⑦ 
         おこげの力
                                深川釜匠⑥ 
                               サービスだす

昆布の佃煮で食べると、薄味がちょうどいい具合に口中で旨みに変換した。特筆したいのは3種類の漬け物がサービスなこと。大根の壷漬け、ラッキョウ、甘酢生姜が意外に美味い。

ご飯の量がかなり多めで、大急ぎでかっ込むと、ちょうど3時になった。満腹と八分の満足感。ラッキョウで口直し。船が出る時間。1050円は微妙な舌代だと思った。

本日の大金言。

深川めしは1500円前後の店が多い。賄いのB級ぶっかけめしがルーツだったことを考えると、もう少し安くした方がさらに人気が出ると思う。下町の心意気と高値は似合わない。



                 深川釜匠10 

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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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