銀座の穴場?氷あずきの至福

 東京・銀座は大好きな街だが、こと美味いものに関する限り、舌代がかなり高め。猛暑の絶品かき氷を求めて、虎屋や源吉兆庵など老舗を覗くと、軽く1000円を超えた数字が並ぶ。おおおお、やっぱりなあ。財布の中を寒風が通り過ぎる。炎天下の孤独。

入り口の女性店員さんに聞くと「銀座ですからね。このくらいのお値段はどこでもすると思いますよ」とか。で、むくむくと反骨の虫が動き出した。銀座の老舗で、1000円以下の絶品かき氷を見つけてやる~。

本当のところ目算があった。中央通りから少し離れた銀座七丁目の「清月堂本店」へ。創業が明治40年(1907年)。水ようかん、くず桜、きんつばで定評のある老舗和菓子屋、である。ここの2階にある「清月茶房」が今回のターゲット。実はここは村長の穴場なのである。
         清月堂本店① 
         オアシス!
         清月堂本店 
         清月堂本店

昭和通りを超えると、一気に人通りが少なくなる。人の行く裏に道あり、花の山。老舗のいい造りで、特に2階の茶房はゆったりとした時間が流れ、エンタメ新聞社時代は疲れたときなどはここで英気を養ったこともある。
         清月堂本店13 
         清月茶房へ

午後3時過ぎだったせいか、客が少ない。メニューの中から「氷あずき」(税込み908円)を選んだ。ピアノ曲が優雅に流れている。
         清月庵 
         こうでなくっちゃ

フツーに考えると安くはないが、銀座という場所を考えると、これは穴場だと思う。女性スタッフの対応もいい。2~3分ほどで、まずは白磁のきれいな急須でお茶が運ばれてきた。2杯分ほどある。これこれ、このサービスがマル。

奥の厨房(見えない)から、カシャカシャという氷を削る軽やかな音がかすかに聞こえてきた。やがて、黒い角盆に乗って、「氷あずき」がしゃなりとやって来た。ガラスの器。見るからに柔らかそうな山のような氷のボリュームとその上のどっかと乗っかった小豆がポエム。小豆はトロリとしたツヤが際立っていて、氷の底にも小豆がうっすらと見えた。これは虎屋や源吉兆庵に劣らない。
         清月堂本店② 
         マッターホルンでっか? 
         清月堂本店④ 
         頂上の天国

氷はフワフワとしていてきめが細かく、湿気も多めで、天然氷のよう。だが、「天然ではありません。銀座の氷屋さんから仕入れているものです」(女性スタッフ)。錫製(?)のスプーンで小豆と氷を口中に運ぶ。冷たい美味。小豆は甘めで、柔らかくこってりと炊かれている。ほんのりと塩気が効いている。ふっくら感と風味も十分にある。上質のつぶあん。
         清月堂本店⑤ 
         つややかな小豆
         清月堂本店⑥ 
         絶妙でんなあ

創業当時、水ようかんとくず桜で評判を取った店だけのことはある。
「この小豆のこってり感は、ひょっとして水飴を加えてる?
「いえ。多分使ってないと思います。でも、ちょっと聞いてきます」
         清月堂本店⑨ 
         底にも天国
         清月堂本店11 
         残りの時間

しばらくして戻ってくると、「水飴は使ってないそうです。小豆は北海道産のいいものを使っているそうです」(女性スタッフ)。このテカリとこってり感は炊き方の技のようだ。お代わりのお茶を飲みながら、あえて言うと、底の小豆がもう少し多かったら、文句なしなのだが。銀座は中央より路地裏とか裏通りに限る、改めてそう思うのだった。

本日の大金言。

かき氷のシーズン到来。梅雨が開けると、かき氷が夏のスイーツのメーンステージに躍り出る。新興のかき氷屋もいいが、歴史のあるかき氷屋、それもリーズナブルな値段の店を探すのも楽しい。あの紫式部が楽しんだかき氷を空想しながら、探すのもいい。


                 清月堂本店12 

 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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