寿司屋の「怪物ネギトロ」の味

東京・上野の東京都立美術館で開催中の「ポンピドゥー・センター傑作展」を見た後、御徒町の「寿司幸」へ足を延ばすことにした。目的はここのネギトロ、である。
         寿司幸 
         寿司屋が並ぶ

アメ横につながっている迷路のような、通称寿司屋横丁にあり、有名なかっぱ寿司(1号店2号店)や英寿司などが並び、時間帯によっては安くて美味い寿司を求めるファンや観光客でごった返している。先々週、天空先生と博物館先生と来たときは、ちょうど昼時とあってかっぱ寿司の前には長い行列ができていた。
         寿司幸① 
         寿司幸の暖簾

だが、本当に安くて美味いのは、その谷間で白い暖簾を下げている「寿司幸」だと思う。外観が高級すし店のような佇まいなので、敷居が高そうに見える。そのため、大衆的な、どこか居酒屋風のかっぱ寿司ほど人気がない。知らぬは女房ばかりなり。人も店も見かけがすべてではない。常連客が多いのもこの店の実力を物語っていると思う。実は天空先生もここの隠れファン。
         寿司幸2 
         リーズナブル
         寿司幸1 
         これこれ

午後1時過ぎだが、客の入りは七、八分ほど。ほどよい混み具合い。「らっしゃい~」掛け声が明るく響く。L字型の白木のカウンターの一角に案内される。村民2号が「お寿司、久しぶりね~。何年ぶりかしら」とボソリ。イタタ。

まずは生ビール(550円)を頼み、目の前のユーモラスな大将(二代目)に「ねぎとろの大、お願いします」。大が1900円、小が1300円なり。小でも十分大きいが、ここは大で行きたい。大人のこぶしよりもひと回りほど大きな「ねぎとろ」の塊(かたまり)はここの名物で、これをツマミに一杯やるのがこの店の楽しみ方の一つだと思う。
         寿司幸⑤ 
         天国、天国

注文を受けてから目の前で作り始めるのだが、それを見るのも楽しい。寿司下駄の中央にネギトロの巨大な塊が置かれ、生ワカメと千切り大根のツマが控えている。ひと目で鮮度のよさがわかる。ネギトロを巻いて食べるための海苔も置かれている。村民2号が「こういうの初めて。すごいわね~」。
         寿司幸④ 
         巨大なネギトロ
         寿司幸⑥ 
         見る前に食べろ

醤油にワサビを溶いて、まずはひと口。中トロと大トロが曼荼羅状に入り混じり、そこにいい具合に千切りネギが絡んでいる。マグロのきれいな脂がさわやかで、その旨味が口中に一瞬の天国を作る。天国からの風・・・むふむふ。自然に笑みがこぼれる。
          
         寿司幸⑧ 
       海苔に巻いて、っと
         寿司幸10 
         穴子も絶品

穴子(1カン150円)と玉子(1カン100円)、さらにイカ(スミイカ1カン150円)と続いて賞味。回転寿司よりほんの少し高めだが、かなり安いと思う。柔らかく炊かれた穴子とツメが実に美味い。他も値段の割に高レベル。内容を考えると、回転寿司よりもリーズナブルだと思える。しじみの味噌汁も「サービスです」(大将)。最後に村民2号が最も高い「ウニ」(1カン450円)を頼んだ。2個で900円。イタタ。

「ネギトロのマグロはバチですか?」

ほろ酔い気分の村長がついバチ当たりな質問を投げかけてしまった。村民2号が村長の足をつついた。イタタ。「店はもう50年になるんですよ。私で二代目です」大将とのほのぼのとした会話のやりとりの中で、つい聞いてしまったのだ。悲しい性分。
         寿司幸⑨ 
         折り返し点

「いえ、本マグロです。昔から付き合いの長い魚屋から仕入れているんですよ。だからこの値段でできる。ネギも鮮度を保ちながらここまで水分を取るのは大変なんですよ。他の店が真似しようとしてもこれと同じものは絶対できません」
大将は笑いながら、答えてくれた。さすが大将。完敗どす。天然か養殖か、ついに聞きそびれてしまった。イタタタ。

本日の大金言。

寿司屋と言ってもピンからキリまである。高くて美味いは当たり前、安くてまずいも当り前。安くて美味い、満足度をどこに置くかにもよるが、そのギリギリのラインを見事に保っている店も確かにある。



                 寿司幸12 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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