「江戸グルメたまふわ」の味

本日ご紹介するのは珍しい「たまふわカレーそば」である。江戸時代のもてなし料理「たまごふわふわ汁」を再現してアレンジしたもの。江戸人がかなりのグルメだったという証しのような料理、である。

「最近よく江戸時代のことを書いてますが、たまごふわふわ料理をご存じでしょうか? 江戸時代に発行された本にも載っている料理です。メレンゲみたいな卵料理で、これを再現アレンジして、メニューに出している店があるのです。自慢のポンコツ車を走らせてみては如何でしょう。源泉掛け流しの温泉付きですよ、うふふ」

夏バテ気味の村長の下に、最近知り合いになった埼玉ウーマンからかようなメールが入った。最後のうふふ、が気になる。その後に、店名と所在地が書いてあった。それが「杉戸天然温泉 雅楽の湯(うたのゆ)」の中にある「お食事処 みやび」だった。リオ五輪の合間を縫って、天然温泉に浸かってから、たまふわ料理を食べるのも案外オツかもしれない。サッカーが一次リーグを突破できなかったショックも癒せる・・・むふふ。
          雅楽の湯 
        天然温泉と江戸の味

村長は埼玉・杉戸町までポンコツ車を走らせることにした。村民2号には内緒。国道4号線(旧日光街道)を少し入ったところに「杉戸天然温泉 雅楽の湯」の表記が見えた。杉戸はかつて日光街道杉戸宿のあった場所。そこで「たまふわ」が出されていたそう。「雅楽の湯」は源泉掛け流しの温泉施設で、2012年にオープンしている。この中にある「食事処みやび」が、今年の1月から「たまふわカレーうどん」をメニューに出している、ようだ。そう遠くないところには東武動物公園もある。
          雅楽の湯① 
          たまの極楽も悪くない
          お食事処みやび 
          お食事処みやび

ゆったりと源泉掛け流しに浸かってから(1050円=タオル・バスタオル・浴衣付き)、「お食事処みやび」へ。生ビールをきゅっと飲みたいところだが、クルマなので、ここは我慢がまん・・・。メニューを見て、「たまふわ杉農カレーうどん」(税込み850円)を頼むことにした。杉戸宿400年記念事業の一環として、杉戸農業高校の生徒が発案して再現したそう。だが、たまごふわふわ料理はこの一品だけ。
          食事処みやび① 
          江戸の卵料理?

「たまごふわふわ汁」は旧東海道・袋井宿でも出されていたようで、そちらでも再現されて人気を呼んでいるようだ。こちら平成28年の杉戸宿は「たまふわカレーうどん」。「うどんがお嫌でしたら、そばでもオーケーです。そばは十割そばです」との一言で、「では、そばで」に変更した。

これが想像よりも美味かった。ご飯と漬け物、サラダ、デザートも付いていた。「たまふわ」は、卵の白身をかき混ぜてメレンゲ状にし、それに黄身を加えたものを鍋で煮立てた出汁のなかに入れ、火を止め、ふたを閉じる。すると、ふわふわの「たまふわ」になるそう。それがカレーそばの上に覆うように乗っていた。湯気がゆらゆら立っている。初めて見る景色・・・ポエム。
          食事処みやび② 
          850円なり
          食事処みやび④ 
          たまふわ
          食事処みやび⑤ 
          江戸にタイムスリップ

そのフワフワをレンゲですくって、口中へ運ぶ。まろやかなカレー汁との相性は絶妙で、出汁も効いている。丸い煮卵のようなものが3個ほど隠れていた。よく見ると、海老天だった。その下のそばへと箸が向かう。十割そばとどろりとした本格的なカレー汁(そば屋のカレーうどん風)との相性はどうか? 
          食事処みやび⑥ 
          何だこれは?
          食事処みやび⑧ 
        十割そばとの相性は?
          食事処みやび⑨ 
      カレー汁との相性は?

そばは細切り(多分機械打ち)で、相性は微妙だと思う。カレー汁を吸って柔らかくなるのが早い。カレーの濃厚な味に十割そばの風味が消されている。ここはやはりうどんにした方がよかったかもしれない、と少し反省。カレーは見た目ほど辛くない。海老天の他に鶏肉も4、5片潜んでいていいアクセントになっている。やや固めのご飯もサラダもデザートもまずまずの旨さ。全体の印象として、これで850円はそう高くはないと思う。

とはいえ、せめて出汁醤油ベースの「たまふわ汁」くらいはメニューに加えてほしい。江戸の昔を思うにはシンプルが一番で、それこそが江戸人の舌の肥え具合がわかると思うからだ。埼玉ウーマンの「うふふ」はそういう含みだったのかも。弥次喜多のような、ほのかな恋心(助平心?)は「たまふわ」と消えて行った。

本日の大金言。

「たまごふわふわ」は寛永20年(1643年)に発行された「料理物語」にも載っている。当時、卵は貴重な食材で、江戸のおもてなし料理として将軍家や幕末にはあの近藤勇も好物だったようだ。「東海道中膝栗毛」では弥次さん喜多さんも食べている。今年は徳川家康逝去400年で、「たまふわ料理」が脚光を浴びるかもしれない。



                 食事処みやび14 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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