老舗中華料理店の大月餅

「和菓子ばかりじゃなく、たまには月餅を取り上げてよ」
月餅好きの村民2号が、草餅を頬張りながら、提案してきた。「げっぺい」にはいささか思い出もある。
「そうか、月餅はこれまで取り上げたことなかったな。中華菓子のキングを忘れていたよ」

エンタメ新聞社時代、中興の祖HI社長行きつけの一つが東京・新橋の老舗中華料理店「新橋亭(しんきょうてい)」だった。ここの月餅(げっぺい)が美味かったことを思い出した。安くないのが難点だが、新橋に寄ったついでに、お土産に「栗子」と「豆沙」(2個入り 税込み1188円)を買い求めることにした。今回取り上げることにしたのは、ここの重量級月餅である。
         新橋亭① 
         新橋亭新館
         新橋亭②  
         人気の月餅

新橋亭は昭和21年(1950年)創業。政財界のファンも多い。あの中華宮廷料理の最高峰「満漢全席」を食べれる店としても知られている。今では新館や虎ノ門店、玉川店と首都圏に4店舗を構えている。

たまたま上海・台湾旅行から帰国した友人からもらった「凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)」があったので、これを淹れて優雅なティータイムとなった。
         新橋亭④ 
         揃い踏み

「栗子(くりこ)」と「豆沙(とうさ)」は数種類ある月餅の中でも、同店では人気商品。村長は蓮の実やナツメなどがたっぷり入った月餅が好きだが、日本の餡に近いこの二つを並べ、まずは「栗子」から賞味となった。
         新橋亭⑥ 
      栗子に包丁を入れる
         新橋亭4 
         デカい

大きさは幅約8センチ、厚さは3センチ強。重さは172グラムほどあった。手で持つと、ズシリと重い。日本のまんじゅうの皮とは違って、小麦にラードや菜種油、ハチミツを加えてそれをオーブンで焼いているので、皮の手ざわり感はクッキーをしっとりさせたよう。油感がにじみ出ている。模様の入った表面には卵黄が塗られていて、その鈍いテカりが本物感をかもし出しいている。
         新橋亭⑦ 
         栗あんの絶妙
         新橋亭⑧ 
         たまりまへん

普通の月餅より大きい大月餅なので、一つを4~6等分して食べるとちょうどいい。包丁で切ると、見事な栗あんが現れた。よく見ると、栗の粒つぶが混じっている。ガブリと行くと、栗の風味と独特のねっとり感が伝わってくる。水飴も加えているようだが、思ったほど甘くない。

次に「豆沙」。こちらは重さが176グラムあり、「栗子」よりほんの少し重い。豆沙とはこしあんと考えていい。だが、餡には黒糖、ラード、くるみなどが入っていて、日本のこしあんとはかなり違う。あんは真っ黒で、ほどよい固さと風味。くるみが点々と練り込まれている。こちらも思ったほどは甘くない。控えめな甘さで、かすかに醤油のような香りもした。ゴマの風味も。
         新橋亭6 
     こちらは豆沙(こしあん)
         新橋亭10 
         黒あんにくるみ
         新橋亭7 
         独特の風味

栗子の方が好きだわ。日本の栗饅頭よりもどっしりした油感があるけど、とっても美味い。美味過ぎてカロリーが気になるわ」

「確かに栗子の方が好みかな。日本人の舌に合うと思うよ。豆沙も悪くないけど、あんこはやっぱり日本の方が洗練されているよ」

「三鷹時代に月餅に凝って、よく食べたわね。でも、体重が3~4キロも増えちゃって、調べたら、月餅のカロリーがお菓子の中で一番あるとわかったのよね。それで、すったもんだしたあげく、月餅禁止令を出したのよね。あの頃は体の線を気にしていたから(笑)」

「今回はそれ以来の本格的月餅だな。もう体の線を気にしていないってことかな」

「今は体の線より、財布の方が気になるわ。村長の稼ぎも悪いし。だから、今回は例外」

「彼女も昔の彼女ならず、って?」

「その言葉、そっくりお返しするわ」


「・・・・・・」

本日の大金言。

月餅はその名でわかるように、中国では中秋節に食べる伝統菓子だが、贈答用としても重宝されているようだ。日本では中秋の名月に食べるのは月見だんご。お菓子だけみても、日本と中国はかなり違う。あんこのルーツも中国にあるが、日本では独自の世界へと変換する。羊羹などはその典型例だが、羊羹についてはいずれ詳しく書きたい。



                新橋亭12 





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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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