タイムスリップ感動「あずきクリーム」

 今回の箱根食べまくり旅で、村長にとって最大の収穫の一つが「あずきクリーム」である。まさかの場所でまさかの世界。

強羅駅から旅館へ帰る坂の途中、昨日は閉まっていた不思議な店が開いていた。時刻は夕方5時近い。「喫茶  旅情」のレトロな看板と「かき氷」の旗。今流行のビジネス優先の作られたレトロではない。時代の流れをシャットアウトしてしまったような店構え。あるいは取り残されてしまったような? 入り口のホワイトボードが村長の好奇心をくすぐった。
          喫茶旅情 
          57年の歴史

「あずきdeコーヒー」(税込み500円)、「あずきクリーム」(750円)、「あずきトースト」(500円)・・・。このメニューは何だ? あんこ大好きの小さなハート(?)がときめいた。ドッキドッキ。
          喫茶旅情① 
          思わず立ち止まる

村長の動きを察知した村民2号がすかさず「私は寄らないわよ」。キオは「面白そうだから、私は一緒に入るわ」。店内はすでに死語となってしまった純喫茶そのものだった。ご高齢の女性店主が一人、こちらを見た。小太りの全身昭和おばさん! 客は他には誰もいない。こういう店は案外当たりかもしれない。見渡すと、あのジュークボックスが現役で置いてあった。キオが珍しそうに近寄って行った。
          喫茶旅情1 
          タイムスリップ
          喫茶旅情③ 
          現役のジュークボックス

「あずきdeコーヒーって何ですか?」
「コーヒーにあずきが付いてるんですよ。ウチのオリジナル」
「オモロイ。あずきクリームは?」
「粒あんの上にアイスクリームを乗っけてる。これもうちのオリジナルです」
「へえー、ますます面白い。小豆は自家製?」
「もちろん。かなりこだわって作ってますよ」
「じゃあそれ、ください」

店は昭和34年(1959年)創業で、隣の「とんかつ里久」(ここは名店)とも関係があるらしい。どうやらそちらはご主人が経営しているようだ。
キオは「アイスクリーム」(450円)を頼んだ。「あずきクリーム」は750円なので、あずき代が300円ということになる。値段もレトロにしてほしかったが、そううまくは行かない。
          喫茶旅情2 
        あずきクリーム、お成り~
          喫茶旅情④ 
          夢の世界
          喫茶旅情⑧ 
       こちらはアイスクリーム

10分ほどで「あずきクリーム」がやってきた。見事な粒つぶ感のあるあんこで、ボリュームもかなりある。その上にバニラアイスクリームがどっかと乗っていた。あまりにシンプルな、素晴らしき世界! キオがおばさん店主からジュークボックスの操作方法を聞いて、100円玉を入れ、「イエスタディ・ワンスモア」をかけた。「知ってる曲がこれくらいしかないわ(笑)」。
          喫茶旅情⑤ 
          言葉はいらない
          喫茶旅情⑥ 
        およしになってえ~

粒あんは濃厚な色で、思ったよりもふっくらと炊かれていた。洗練さはないが、素朴な美味さ。小豆の風味が口中でドドドと広がった。冷たい粒つぶ感とこってり感がたまらない。甘さもほどよく、塩がよく効いている。バニラアイスクリームも昔の素朴な味わい。濃厚な粒あんとの相性がとてもいい。溶け始めたバニラアイスと混じり合う風味豊かな粒あん。不思議な感動がじわじわと体を包み始める・・・。すっかり堪能してから、再びおばさん店主と二言三言。
          喫茶旅情⑦ 
          最強タッグ

「この小豆は北海道産ですか?」
「それが違うんですよ。数年前から丹波の小豆に変えたのよ。ちょっと高いけど、風味がひと味違うので、こっちにしたのよ」

意外なお答え。まさかの坂のまさかのあんこ。京都でも丹波の小豆より少し安めの北海道産を使う店が増えているのに、箱根のかような場所で、貴重な丹波の小豆と出会うとは・・・。隠れたいい店をめっけ、の気分。これ見よがしの宣伝をしていないのも気に入った。

あんこ作りの際のアク抜きについても聞いてみた。
「和菓子を作るわけじゃないし、小豆本来の風味を生かすにはあまりアクは抜かない方がいいと思う。私は一回しかしませんよ」
小豆の風味が強いのはそのせいのようだ。この店に和菓子職人のような洗練さを求めてはいけない。
           旅情1 
    夢の時間はあっという間

カーペンターズの「イエスタディ・ワンスモア」はとっくに終わっていた。「田舎しるこ」も食べてみたくなったが、キオが察知して立ち上がった。「早く帰ろ。豪華な夕ご飯が待ってるわ。楽しみね」明るく言い放った。ダイエットの五文字はいずこへ?

本日の大金言。

まさかの出会いというのも確かにある。路傍の石がダイヤモンドの原石だった、ということだってある。先入観を捨てて、周りを見ることから始めたい。



                大涌谷 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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