偉大なる発明品「アキバのカレーパン」さま

 明治以降の日本人の偉大なるB級発明品に、赤羽彦作村長は、あんぱん、メロンパン、カレーパンを挙げたい。この三つに対する思い入れは格別のものがある。中でもカレーパンはお菓子という範疇ではなく、サブ主食にもなりえるという意味で、別格ともいえる。あのカレーをパンに包んで油で揚げてしまうという発想は、今では誰も不思議とは思わないが、よーく考えてみると、コロンブスの卵だと思う。ピロシキにヒントを得たかもしれないが、ピロシキほど多様性はなく、カレーパンとして純化して一つの独立国を造っている点が根本的に違う。

         カレーパン② 
           老舗カレーの新しい展開?

コンビニや売店で買うヤマザキや神戸屋などのカレーパンも好きだが、東京・秋葉原で出会ったカレーパンは、ひと味違った。メイド少女がチラシを配る「欲望と哀しい夢の街」アキバで、彦作村長の目に、「14時~18時 カレーパン×ドリンクセット 450円」という文字が飛び込んできた。駅ビル・アトレの一角にある「東京カレー屋名店会」である。時計を見ると午後3時。ちょうどおやつタイム。昼飯を食べ忘れた彦作村長の目がピカリと光った。カレーパン! 

この店は、東京の有名老舗カレー屋5店がユニットを組んで、一か所で五店舗のカレーが楽しめるという新しい形の店舗展開である。神田神保町の「エチオピア」、湯島の「デリー」、本郷の「プティフ」、神保町の「共栄堂」、須田町の「トプカ」の五店だ。スカイツリーにも進出して、カレー好きの熱い視線を集めている。

         カレーパン⑥  
           アキバの胃袋をゲット・・・

30人くらいは座れそうなコの字型のシャレたカウンター。なぜか小学生のグループ、若いOL、青年などがカレーを黙々と食べている。村長は当然、カレーパンセット。ドリンクは4種類の中から「ラッシー」を選んだ。名犬ラッシーの大ファンだったからだ。
「ところで、ラッシーってどんな飲み物?」
恥も外聞もなく、店員に聞く。
「インドの飲み物で、ヨーグルトと牛乳を混ぜたものです」
犬のラッシーとは無関係らしい。

5分ほど待っていると、まず卵スープが来た。中華料理の卵スープのようで、まろやかでうまい。続いて、カレーパンとラッシーが登場。カレーパンはハンバーガーのように紙にくるまれている。出してみると、幅約10センチほどのまん丸いカレーパンだった。形状的にカレーパンには楕円と円の二つのタイプがある。1927年(昭和2年)に東京・深川の洋食パン屋「名花堂」(現在はカトレア)で誕生したと言われる元祖カレーパンは楕円形。彦作村長は楕円形の方に思い入れが強いが、目の前のまん丸くて分厚いカレーパンに目を見張った。こんがり具合がよく、いかにも揚げ立てという佇まいが、高座に上がった娘義太夫のよう。

                  カレーパン③ 
           カレーパンの誘惑、べんべん

食べておくんなまし、べんべん。うむむ。カレーパンの食べ方の礼儀はまずガブリ、である。外側の香ばしいパン粉。カリカリと音がしそう。そこから弾力性のあるパン生地と濃厚なカレーが二人三脚怒涛の寄り、村長の舌の上から咽喉チンコのすぐ近くまでを攻め立てる。

          カレーパン④ 
           華麗なるカレーパン?

カレーは北海道産じゃがいものの味が強め。タマネギは姿を隠しているが、低音部をしっかり押さえている。べんべん。ニンジンもすりおろされていて、ぷつぷつと「私も忘れないでね」とつぶやいている。肉の感触はかすかに隠し味として潜められている。

カレーは凸凹はあるが、深いところで2センチほどの厚さ。食べるとわかるがかなりのボリュームがある。ルーが甘口で、万人向きのマイルドなうまさ。その分、辛い好きには少々物足りないかもしれない。このカレーパンは「湯島のデリー」のカレーパン。1個220円で持ち帰りもできる。

         カレーパン⑤ 
          このクリーミイな中身・・・うっふん

激辛が苦手な村長は、このカレーパンが気に入った。箸休めにインドのヨーグルト「ラッシー」をグビリ。これがトロリとして、まろやかな酸味が舌に心地よい。何やらついドブロクでも飲んでいるような飲み方になってしまうのは悲しいサガか。隣のきれいなOLの視線が気になる。その隣の小学生のグループは黙々とカレーを食べている。この少年たちの未来はどうなっているのだろう? 彦作村長は自分は一体何者なのか、カレーパンを噛みしめながら、しみじみと考える。現代ニッポンの最先端の街で「秋の枯葉」アキバが一葉・・・。

                 カレーパン⑦ 



本日の大金言。

秋葉原とカレーパン。日本が世界に誇っていい二つのコアな世界。ここから、日本の新しい未来が始まっているかもしれない。

              カレーパン⑧ 



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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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