ゴッホ後の「ふわふわオムライス」
食欲の秋と芸術の秋。この二つを同時に堪能することにした。東京・上野「都立美術館」で開催されている「ゴッホとゴーギャン展」を観に行く。ゴッホとゴーギャン、この同時代の天才同士の運命的な交流がわかりやすく展示してあり、思ったほど混んでいないのが素晴らしい。
ゴッホとゴーギャン展へ
特に村長はゴッホの人物画に感銘を受けた。村民2号はタヒチに移住する前のゴーギャンの作品に「へえー、ゴーギャンにこんな世界があったとはね」と驚きの表情を浮かべた。
ゴッホがゴーギャンのために用意した椅子の絵が頭に残ったまま、食欲の秋へと移動することにした。
「疲れたから2階のレストランにしましょ」
村民2号が思い出したように言った。
「私の知ってるフレンチのシェフが昔ここで修行したのよ。きっと美味いはずよ」
食欲の秋の行方
だが 、そのフレンチレストランはとうの昔に経営が変わっていて、今は「ミュージアムテラス」という店名のモダンな高級レストランになっていた。ダークブラウン基調の開放的で広いレストラン。7~8組が並んでいた。雰囲気は悪くはない。「もう歩きたくないわ。ここで妥協しましょ」
美味そう!
安くはないが、ゴッホとゴーギャンを観た後だから、「ま、いいか」と村長。窓側のいい席に案内されて、村長はメニューの中で比較的安い「ふわふわ玉子のオムライス」(税込み1250円)を、村民2号は「たっぷりキャベツのメンチカツ」(同1380円)を頼んだ。メニューの写真が実に美味そうだった。
当たりか?
見かけは悪くない
たっぷりキャベツのメンチカツ
5~6分ほどで料理がやって来た。早すぎる。嫌な予感。「ふわふわ玉子のオムライス」は卵を3個ほど使っているそうで、それがケチャップライスの上に覆うように乗っかっていた。デミグラスソースが山の麓に揺蕩っている。悪くはないが、カップスープくらいは欲しい。
ふわふわか?
スプーンを入れると、あれれ、ふわふわ玉子がフワフワしていない。むろんトロトロもしていない。デミグラスソースは本格的で、味わい自体はまずまず。だが、ふわふわ玉子がぶかぶか玉子では看板が泣く。シェフの腕なのか、店の方針なのかはわからないが、ゴッホとゴーギャンの感動がやや冷めてしまった。ゴホゴホと咳が出てきそう。ゴーマンなオムライス、そんなダジャレフレーズが頭をクルクル回り始めた。
ま、ひと口
いい匂い
気を取り直して、ケチャップライスにスプーンを入れる。具はチキンとマッシュルーム。ケチャップライスの濃い色と味わいは悪くはないが、ライス自体にツヤがない。ボリューム感も見た目ほどはない。あえて言うと、一粒一粒にドライなビジネスの匂いがする。下町の洋食屋が懐かしくなる。
意外な世界
「メンチカツも悪くはないけど、期待していたのと違った。キャベツたっぷりって、中に入っているのかと思っていたけど、添えられた千切りキャベツのことなのね。それも特にたっぷりではない。値段を考えると、コスパはいいとは言えないわね。でもまあ、場所代だと思えば、こんなものかなって思うわ」
「このレストランは外食産業が経営しているレストランのようだ。座席も100以上ありそう。床もテーブルもダークブラウンで高級感があり、ゆったりしていて、悪くはない。女性スタッフの応対も悪くない。この雰囲気代が加算されているのかもな。でも、経営が変わる前に来たかったなあ。そのシェフは去年若くして亡くなったんだよね」
「期待しすぎるのがよくないのよ。人気美術館のレストランに過剰に期待しすぎてはいけない」
ロケーションはいい
テーブルの上には「ゴッホとゴーギャン展」のPRカードが置いてあった。天国のゴッホは何を思う? 窓の外には上野の森の緑。ロケーションは素晴らしい。芸術の秋と食欲の秋を両方同時に楽しもうというのがそもそも間違いだった? ゴホゴホゴーマンの刃がこちらに返ってきた。
本日の大金言。
美術館のレストランは評価がわかれる。村長の個人的な経験では、値段はそれなりで、味わいもそれなり、が多い。満足のレベルを下げるくらいがちょうどいいと思う。
ゴッホとゴーギャン展へ
特に村長はゴッホの人物画に感銘を受けた。村民2号はタヒチに移住する前のゴーギャンの作品に「へえー、ゴーギャンにこんな世界があったとはね」と驚きの表情を浮かべた。
ゴッホがゴーギャンのために用意した椅子の絵が頭に残ったまま、食欲の秋へと移動することにした。
「疲れたから2階のレストランにしましょ」
村民2号が思い出したように言った。
「私の知ってるフレンチのシェフが昔ここで修行したのよ。きっと美味いはずよ」
食欲の秋の行方
だが 、そのフレンチレストランはとうの昔に経営が変わっていて、今は「ミュージアムテラス」という店名のモダンな高級レストランになっていた。ダークブラウン基調の開放的で広いレストラン。7~8組が並んでいた。雰囲気は悪くはない。「もう歩きたくないわ。ここで妥協しましょ」
美味そう!
安くはないが、ゴッホとゴーギャンを観た後だから、「ま、いいか」と村長。窓側のいい席に案内されて、村長はメニューの中で比較的安い「ふわふわ玉子のオムライス」(税込み1250円)を、村民2号は「たっぷりキャベツのメンチカツ」(同1380円)を頼んだ。メニューの写真が実に美味そうだった。
当たりか?
見かけは悪くない
たっぷりキャベツのメンチカツ
5~6分ほどで料理がやって来た。早すぎる。嫌な予感。「ふわふわ玉子のオムライス」は卵を3個ほど使っているそうで、それがケチャップライスの上に覆うように乗っかっていた。デミグラスソースが山の麓に揺蕩っている。悪くはないが、カップスープくらいは欲しい。
ふわふわか?
スプーンを入れると、あれれ、ふわふわ玉子がフワフワしていない。むろんトロトロもしていない。デミグラスソースは本格的で、味わい自体はまずまず。だが、ふわふわ玉子がぶかぶか玉子では看板が泣く。シェフの腕なのか、店の方針なのかはわからないが、ゴッホとゴーギャンの感動がやや冷めてしまった。ゴホゴホと咳が出てきそう。ゴーマンなオムライス、そんなダジャレフレーズが頭をクルクル回り始めた。
ま、ひと口
いい匂い
気を取り直して、ケチャップライスにスプーンを入れる。具はチキンとマッシュルーム。ケチャップライスの濃い色と味わいは悪くはないが、ライス自体にツヤがない。ボリューム感も見た目ほどはない。あえて言うと、一粒一粒にドライなビジネスの匂いがする。下町の洋食屋が懐かしくなる。
意外な世界
「メンチカツも悪くはないけど、期待していたのと違った。キャベツたっぷりって、中に入っているのかと思っていたけど、添えられた千切りキャベツのことなのね。それも特にたっぷりではない。値段を考えると、コスパはいいとは言えないわね。でもまあ、場所代だと思えば、こんなものかなって思うわ」
「このレストランは外食産業が経営しているレストランのようだ。座席も100以上ありそう。床もテーブルもダークブラウンで高級感があり、ゆったりしていて、悪くはない。女性スタッフの応対も悪くない。この雰囲気代が加算されているのかもな。でも、経営が変わる前に来たかったなあ。そのシェフは去年若くして亡くなったんだよね」
「期待しすぎるのがよくないのよ。人気美術館のレストランに過剰に期待しすぎてはいけない」
ロケーションはいい
テーブルの上には「ゴッホとゴーギャン展」のPRカードが置いてあった。天国のゴッホは何を思う? 窓の外には上野の森の緑。ロケーションは素晴らしい。芸術の秋と食欲の秋を両方同時に楽しもうというのがそもそも間違いだった? ゴホゴホゴーマンの刃がこちらに返ってきた。
本日の大金言。
美術館のレストランは評価がわかれる。村長の個人的な経験では、値段はそれなりで、味わいもそれなり、が多い。満足のレベルを下げるくらいがちょうどいいと思う。
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