ラーメンの街の「とんかつラーメン」

 ゴッドマザーのお見舞いの帰りに、久しぶりにラーメンの街・栃木県佐野市に立ち寄ることにした。今回はちょっと変わった佐野ラーメンを探すことにした。人気店はほとんど食べ尽くしている。午後3時ちょい前、国道50号から県道9号線に入り、市街地へとポンコツ車をぷかぷか飛ばす。
          精養軒やまだ5 
          とんめんて何だ?

どこか面白い店はないか。こういう行き当たりばったりの探し方も楽しい。すると、植野町あたりで「とんめん」の文字が見えた。一軒家のラーメン店で、「営業中」の文字も見えた。「とんめん」って何だい? 店構えは和風で悪くない。
          精養軒やまだ 
          佐野の意外
          精養軒やまだ① 
          いい店構え

この時間はほとんどの店が休憩時間に入っているが、この店は「営業中」。「とんめん」の下に控えめに「精養軒やまだ」の店名。3年前に賞味した「精養軒 万店」と同じ暖簾。「精養軒」は佐野ラーメンでも古い暖簾で、万店で食べたラーメンは見事な青竹手打ち麺と自家製チャーシューの旨さに唸ったことを思い出した。だが、「とんめん」なるものはメニューにはなかった。これは入るっきゃない。
          精養軒やまだ④ 
          老舗だった
          精養軒やまだ③ 
          メニューの一部

時間が時間だけに客はいなかった。ウッディーな店内がきれいで、小上がりとテーブル席が見えた。女将さんが水を運んできたので、「とんめんって何ですか?」と聞いてみる。「ラーメンの上にとんかつが乗っているんですよ」とのお返事。「へえー、それは凄い。そんなラーメン聞いたことがない。では、それ、お願いします」。950円(税込み)と安くはない。味噌と醤油があり、佐野ラーメンの本流は醤油なので、醤油を選んだ。

よく考えると、カツカレーがあるんだから、カツラーメンがあっても不思議はない。厨房から豚カツを揚げる軽やかな音が聞こえてきた。いい匂いが漂ってきた。店主の姿は見えないが、真面目な職人の気配。
          精養軒やまだ⑥ 
          とんめん、登場

10分ほどで、湯気を立てながら「とんめん」がやって来た。想像よりも豚カツが大きい。醤油ラーメンの上にそのまま揚げたての豚カツがドテッと横たわっていた。コロモの色がいい。すき間にメンマとワカメ、それに刻みネギ。
          精養軒やまだ⑦ 
          豚カツの存在感
          精養軒やまだ⑧ 
          ポエム

まずはスープから。醤油がきつめで、これまで食べた佐野ラーメンのような繊細さはない。鶏ガラと豚骨ベースのストレートで素朴な味わい。旨みの奥行きはもう一つ。豆板醤のような香辛料の匂いがかすかにした。好みの問題だが、これは不要だと思う。
          精養軒やまだ11 
          無化調醤油スープ
          精養軒やまだ⑨ 
          多めのメンマ

麺は太縮れ麺で、万店の凄味とは違った。悪くはないが、コシももっちり感も佐野ラーメンのレベルとしては平均的。豚カツはしっかりと揚がっていて、肉の厚さは1センチほど。妙に柔らかくなく、むしろ弾力がある。もも肉かと思ったら、ロース肉だそう。どこかとんかつ屋の肉の気配がした。
          精養軒やまだ10 
          太縮れ麺
          精養軒やまだ2 
          コショウをパラリ

店主の顔が見えたので、聞いてみると、「私で二代目です。万店は親父の兄弟で、向こうの方が少し古い。作り方も違いますが、基本は昔の佐野ラーメンそのままです。私はとんかつ屋で修業して、この店を継いだんですよ。その経験を生かして、半分遊びでラーメンに豚カツを乗っけたんです。それが評判になって、とんめんと名付けたんですよ。佐野ではウチだけだと思います」
          精養軒やまだ6 
          とんかつ屋の豚カツ

化学調味料は使用してないそう。化学調味料や背脂などを一杯使うラーメンに対して、「よくないこと」と一刀両断。その心意気やよし。だが、期待が大きかった分、思ったほどの感動もなかった。伝統を守りながら、新しい取り組みをすることはそう簡単ではない。麺も「昔は青竹手打ちでしたが、今は製麺所から取り寄せています」とか。昔からの佐野ラーメンも変わりつつあるのかもしれない。

本日の大金言。

首都圏から最も近いラーメン王国佐野。青竹打ちが看板だが、実際に青竹打ちで麺づくりしている店は少なくなっているそう。だが、ラーメンはむろんのこと、餃子の美味い店が実に多い。人口12万人弱の街にラーメン屋は「実際は200店ほどある」(観光協会)。意外に知られていないが人口当たりのラーメン屋の数は日本一である。



                精養軒やまだ4 






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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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