熊野灘の「さんま姿寿司」に驚く

 本日取り上げるのは、たまたま出会った「さんま姿寿司」。さんまの旬は過ぎたが、紀州熊野灘では北から寒流に乗って南下したさんまが「寿司魚としては少し脂が落ちて、これからが最高の状態」(新宮市観光協会)とか。東京・有楽町の国際フォーラムで行われている「大江戸骨董市」を楽しんだ後に思わぬサプライズが待っていた。
          大江戸骨董市① 
          大江戸骨董市

夕方4時過ぎ、有楽町駅前にある交通会館B1に立ち寄った。目的は「丘のまち 美瑛」で、小豆を買うため。だが、ちょうど新小豆が出回る時期で、入荷待ちの状況だった。アンラッキー。仕方なくB1をブラ歩きしていると、和歌山のアンテナショップ「わかやま紀州館」の前が混み合っていた。
          かわやま紀州館① 
        思わぬ出会いが・・・

のぞいてみると、そこに「さんま姿寿司」の文字がきらりと輝いていた。新宮市のさんま寿司の名店「徐福寿司(じょふくずし)」の出店で、他に柿の葉寿司なども売っていた。さんま姿寿司は残り1個! 874円(税込み)というのも手ごろ。タッチの差でホームベースに滑り込みセーフ。ゲットラッキー! 世の中捨てる神ばかりではない。
          わかやま紀州館① 
          最後の一個!

ウマズイめんくい村に持ち帰って、おでんと花菱純米酒も用意して、晩飯の一品として賞味することにした。パッケージが安っぽいので、一見その奥にワンダーな世界があるとは思えない。村民2号も気乗りしない様子で、目が脂の抜けたさんま状態。人もさんまも見かけで判断してはいけない。
          さんま姿寿司3 
          質素のぜい沢
          さんま姿寿司② 
          美女よりさんま

プラスチックのパッケージを取ると、真空パックになっていて、さらに柔らかな紙で丁寧に包んであった。それを取ると、銀色に鈍く光る見事な本体が現れた。頭と尻尾も付いた丸々一匹分! 目がきれいで死んでいない。切れ目が六つ。ひと目でスグレモノだとわかった。
          さんま姿寿司1 
          ナイスバディ!
          さんま姿寿司④ 
          お頭付きとは・・・

醤油をタラリとかけてから、まずはひと口。じっくりと塩漬けしたさんまをさらに柚子酢に漬けたさんまの、何という美味さ。脂がほどよく乗っていて、その甘みが口中に広がる。酢飯が実に絶妙で、ひと噛みするたびに、小さく涼風が湧き起こるよう。これぞ口内天国、快感が鼻腔へと抜けていく。
          さんま姿寿司⑤ 
          生ツバごくり
          さんま姿寿司⑥ 
          むふむふむふ
          さんま姿寿司⑦ 
          あーん

2年ほど前に京都・祇園「いづ重」で鯖寿司とともにさんま寿司を賞味したが、その時の美味さに引けを取らない。値段は約2分の1。村民2号も予想外の味わいに「今回は珍しく当たりだったわね」とポツリ。目が旬のさんまレベルに切り替わっていた。むふふふ。
          さんま姿寿司2 
          甘酢生姜

翌日(つまり今日)、新宮市の「徐福寿司」に電話してみた。創業は昭和25年で、店名は秦の始皇帝の命を受けて、不老長寿の薬を求めて日本にやって来た徐福伝説にちなんで付けたそう。すぐに店主らしき人が出て、いきなりの電話に丁寧に答えてくれた。いい職人の気配。

「さんま姿寿司はこのあたりでは昔から各家庭で食べられている郷土料理で、歴史は1500年前ほどまで遡ります。元々はなれずしだったと思います。これから冬にかけてが本番です。さんまは背開きと腹開きがありますが、うちは背開きです。その方が単純に美味いんですよ。うなぎのように武家流とかは関係ないですよ(笑)」

「酢飯がいいですね」と言うと、「家庭の味と違いを見せるとしたら、やはりシャリです。コシヒカリのブレンドを使って、甘酢と合わせています。シャリにはかなりこだわって作ってますね。香りづけに柚子も使っていますよ」

大江戸骨董市から思いもよらぬ熊野灘のさんま姿寿司へ。時空を超えた目と舌のブーメラン旅がいい余韻を残して窓の外へ消えていくのだった。

本日の大金言。

押し寿司の文化は関西だが、熊野灘のさんま姿寿司は一匹丸ごと頭から尻尾まで総動員する。熊野の食文化、恐るべし。




                  さんま姿寿司10 















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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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