三拍子揃った「厚切りソースかつ丼」

 ソースかつ丼好きにはたまらない情報をお届けしよう。長野駒ヶ根、福井、会津若松と並ぶソースかつ丼四大メッカの一つ、群馬・桐生市郊外で出会った「厚切りロースかつ丼」である。君の名は、ソースかつ丼版とでも言っておこう。

桐生のソースかつ丼と言えば、「志多美屋本店」と「藤屋食堂」が有名だが、村長の頭の中にはあるソースかつ丼の記憶が残っている。それがどこだったのか、思い出せない。きれいな脂身がしっかり付いている柔らかいロース肉、サクッとしたコロモ、それにやや固めの立ったご飯・・・タレがほどよくかかっている。記憶の中では天上の絶品。あれはひょっとして夢だったのか?
         明治館 
         重要文化財「桐生明治館」

ゴッドマザーのお見舞いを兼ねて上州・桐生市へ。村民2号は中学時代の同級会。ポンコツ車で東国文化歴史街道をプカプカ走り、明治11年建築の洋館「桐生明治館」を見てから、遅いランチを取ることにした。そこで「この近くにとっても美味いソースかつ丼がありますよ」という情報をつかんだ。現地のナマの情報は大事にしたい。
         富士山食堂 
         富士山が見える?

明治館から通り沿いに桐生市方面へ500メートルほど走ると、右手に「ソースかつ丼」の文字とともに「富士山食堂」の看板が見えた。ベージュ色のモダンな一軒家。それが夢の記憶との出会いの始まりだった。
         富士山食堂① 
         いい店構え

午後1時を過ぎているのに駐車場はほぼ満杯。地元で人気なのがわかる。入ると、カウンター席とテーブル席、それに奥にはウッディーな小上がりもあり、ほどよい広さ。カウンターの奥が広い厨房になっていて、そこで店主らしい男性と女性スタッフが料理に励んでいた。立ち振る舞いからプロフェッショナルの気配。注文取りは学生のようなバイトの女の子。

「国産赤城豚 ソースとんかつ丼 厚切り 920円」の文字が目に飛び込んできた。何かが目覚めた感覚。「あれ、ください」。すると、バイトの子が「今はランチタイムなので、味噌汁とサラダ、それにお新香が付いて880円です。ドリンクも付いてます」と言うではないか。ツイテル。君の名は、ではなく、豚の名は。
         富士山食堂② 
         おおお~
         富士山食堂③ 
         ランチタイム

ところが待ち時間がかなり長い。他の客もそれが当たり前のように待っているのがわかる。約25分ほどの待ち時間。待つのは嫌いだが、なぜか我慢できる。店主が一生懸命作っているのがわかるからだと思う。そして、これが絶品だった。村長がこれまで食べたソースかつ丼の中でもベスト5に入る代物
         富士山食堂④ 
         君を待っていた・・・

自家製ソースにくぐらせた赤城豚のロースとんかつはまず揚げ色がいい。切れ目は六つで、肉の厚みが2センチほどはありそう。きれいな脂身とサーモンピンク色の赤身のバランスが見事。立ち昇るいい匂いをクンクンしながら、ガブリと行く。
         富士山食堂⑤ 
         この圧倒

柔らかな感触ときれいな脂身が、甘い余韻を残しながら歯のすき間からノド奥へと落ちていく。コロモのサクサク感とウースターソースベースのほどよい甘さのソースも素晴らしい。これは「志多美屋本店」と遜色ないどころか、値段を考えると上ではないか?
         富士山食堂⑥ 
         言葉はいらない

炊き立てのご飯はやや固めで、ソースのかかり具合がとてもいい。ご飯の量はやや少なめだが、とんかつ、ソース、ご飯の三拍子が絶妙に融合していて、これはソースかつ丼の一つの頂点だと思った。夢に見たソースかつ丼はこれだったのか。
         富士山食堂⑦ 
         飛び降りたい
         富士山食堂⑧ 
         ご飯とタレ
         富士山食堂4  
         豚の名は。

味噌汁、サラダ、白菜のお新香も悪くない。女将さんらしい人に聞くと、店は創業70年で、戦後すぐに初代がソースかつ丼をメニューに加えたそう。今は三代目。ソースは初代からの継ぎ足しで同じ味を作り続けている。食堂なので、ソースかつ丼ばかりではなく、ラーメンやオムライスなどメニューが豊富。

唯一の不満は、ドンブリの蓋(ふた)がしていないこと。蓋を開ける瞬間の楽しみというのもある。だが、いい店を見つけた感動の方が大きい。コーヒーを飲みながら、しばらくしてからまた会いに来ようと決めた。

本日の大金言。

桐生のソースかつ丼はヒレカツが基本で、キャベツなどは敷いていない。新潟のタレカツ(醤油ベース)と似ている。会津や駒ヶ根のソースかつ丼はキャベツを敷いている。その違いも面白い。




 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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