鯛焼きにかりんとうはアリか?

和スイーツの分野でかりんとう饅頭 がある種のブームになっているが、その波がついに鯛焼きに来てしまった。「銀のあん」が「かりんとうたい焼き」(1匹200円)を発売したのは、東日本大震災直前の2011年3月7日。それから約1年半たった。1匹200円というかなり高めの値段設定にもかかわらず、黒糖かりんとうと鯛焼きのミスマッチは、その見た目のヒップホップ感もあり、特に女の子に人気を呼んでいるようだ。女子はいつの時代でも新し物好きで、黒い鯛焼きに群がるのも一つの風景ではある。

赤羽彦作村長は、「銀のあん」の「薄皮たい焼き(あずき」(150円)のファンである。ここは「築地銀だこ」と同じ経営(株式会社ホットランド)で、銀だこも村長の好みである。すっかり秋の空になった連休の昼下がり、鯛焼きの甘い香りが、利根川の風に乗って、村長の鼻腔をくすぐった。

         銀のあん11  
         かりんとうたい焼きの幟が・・・

ポンコツ車をぶっ飛ばして、イオンモールに到着。「銀のあん」に行くと、混み合っていた。鯛焼きの本格シーズン到来。「黒たい かりんとうたい焼き」の幟(のぼり)が遠くからでも目立つ。この一角はスイーツの激戦区。「銀のあん」はその中でも行列ができるほどの人気店だ。おばさんばかりでなく、家族連れや若い女性の姿も多い。若い店員さんが金型で鯛焼きを焼いている。プーンといい匂いがそこかしこに漂っている。

              銀のあん② 
      口あんグリ・・・この圧倒的な小豆あん!

あんの量が半端ではない。皮を薄く引いてから、小豆あんを入れていくのだが、金型の4分の3くらいが、北海道産のいい色具合の小豆あんに次々に占領されていく。甘い占領。そのワザと内容に見とれていると、美熟女の村民2号が、ソデを引く。
「村長、口ポカンはいけません。ウマズイめんくい村の村長としての威厳にかかわります。よだれも出かかってますよ」
「うむ、つい我を忘れてしまった。秋じゃのう」
「ボケの秋なんて、シャレにならないわよ」
「・・・・・・」

         銀のあん③ 
         「あんたヘンよ」「お前こそ」

ここらで「かりんとうたい焼き」を再点検してみるのもいい。定番の小豆あんとそれぞれ2個ずつ買って、ウマズイめんくい村に持ち帰って、賞味することにした。出来立てが一番うまいが、「かりんとうたい焼き」は冷めてもうまいと謳っているので、約1時間後の賞味となった。皿に置くと、改めて、その見事な色具合と雰囲気に脱帽してしまう。「銀のあん」が関東を中心に急成長しているのがよくわかる。中に詰まっている小豆あんが薄皮から透けて見えるような仕上がりなのだ。

          銀のあん④ 
          天下を取ってみせるよ
 
          銀のあん⑨ 
          中はうまそうなこしあん

「かりんとうたい焼き」をまずガブリ。1時間ほど経過しているのに、外側はカリッとしている。黒糖かりんとうの食感。中のあんは甘さ控えめのこしあん。村長は目を閉じて、しばし余韻を楽しもうとする。中の皮はもっちりしていて、それなりにうまい。しかし、これは鯛焼きではない。率直にそう思った。かりんとうの黒糖味が強すぎて、それがこしあんのよさを消してしまっている。ジャズの世界での、セロニアス・モンクとマイルス・デイビスのケンカを思い出した。モンクにハーモニーを求めるのは浪花節にポップスを謳わせるようなものだ。ひょっとして、かりんとうはセロニアス・モンクではないか?

このミスマッチは際物スイーツとしては実験的で面白い。だが、彦作村長は力なく首を振った。これはぶち壊しだ・・・。 

         銀のあん⑤ 
         やっぱりボクちゃんだよ

         銀のあん⑧ 
         これこれ・・中は小豆あん

口直しに定番の「薄皮たい焼き」を賞味。シッポまで詰まったいい小豆あんと表面はパリッとして内側はモチモチの皮のハーモニーが相変わらず見事。皮に含まれている一振りの塩が、小豆あんのうまさを引きたてている。香り立つような絶妙なうまさ。最近はうまい鯛焼きチェーンがどんどん増えているが、銀のあんの牙城は当分は揺るがないだろう。慢心さえなければ。

「かりんとう饅頭は揚げまんじゅうの一種だから、まだ許せるけど、かりんとうたい焼きは違うと思う。ご飯にマヨネーズをかけて食べる若者が多いけど、かりんとうたい焼きもその世代に向けて作ったのかもね。かりんとう好きの私としては、この中途半端な傾向は困る。困る困る。うまいと唸りたくなる味ならいいけど。そこまで行っていない。かりんとうだって泣いてるわよ。これに200円は払いたくない」

かりんとうファンの村民2号がかりんとうのようにプリプリし始めた。理屈になっていないが、妙な説得力がある。多分かりんとう鯛焼きがブームになることはないだろうな。もっとも、日本人の味覚が変わらない限り、という条件付きだが。



本日の大金言。

鯛焼きの世界もどんどん多様化している。そのうち鯛焼きラーメンとか、鯛焼き鍋なんてミスマッチが登場するかもしれない。


             銀のあん12 
 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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