天才シェフの「フレンチトースト」

フレンチトーストと聞くと、落ち着かなくなる。

2年ほど前、京都へグルメ先生のお見舞いに行った時に、ぶらりと入ったフランス料理屋で食べた「特製フレンチトースト」が抜群に美味かった。その甘い蜜の記憶が頭の中に残っている。

知り合いのグルメおばさんから「春日部に『究極のフレンチトースト』ってのがあるらしいわよ。凄いシェフが作ってるんだって。ポンコツ車を飛ばしてみたら?」という情報を聞いてしまった。聞いてしまったからには行かねばならない。我ながら悲しい(うれしい?)サガ。だが、フレンチトーストはハズレが多い。

料理と恋愛は食べてみなければわからない。

ちょうど春日部に用事があったので、その店「パスタ ヒロ」に立ち寄ることにした。西口「ララガーデン」3階へ。白を基調にしたガラス張りのしゃれたレストランで、入り口にはかつてイタリア料理の天才シェフと呼ばれ、料理の鉄人で陳建一を破ったこともある山田宏巳の写真と経歴が派手に飾ってあった。ヒロとは山田宏巳のようで、彼がプロデュースした店ということらしい。
          パスタヒロ4 
          天才シェフの店
          パスタヒロ② 
          ランチメニュー

山田宏巳は過去にいわくのあるシェフで、それがどん底からこうして復活したということなら、それはそれでめでたい。誰にだってどん底はある。

午前11時半という早い時間のせいか、まだ客は少なかった。感じのいい女性スタッフに「『究極のトースト』ください」と言うと、「ちょうどランチタイムですので、お得なメニューがあります」と教えられ、「フレンチトーストランチ」(自家製ハム、スープ、サラダ、ドリンク付き 税別850円)を頼むことにした。最後の言葉に期待感が高まった。
          パスタヒロ③ 
          これこれ

「手づくりなので、出来上がるまでお時間がかかりますが」
「かまいませんよ。ゆっくりやってください。飲み物はコーヒーでお願いします」

BGMの軽快なジャズを聴きながら、15分ほど待っていると、白い大皿にフライパンでこんがりと焼かれた食パンのフレンチトーストとスープ、サラダ、それに自家製ハムが乗っていた。メイプルシロップも控えている。皿が大きすぎるのか、やや寂しい印象。
          パスタヒロ⑤       
    天才は忘れた頃にやってくる ?
          パスタヒロ1  
        美味そうな厚み

フレンチトーストは厚めの自家製デニッシュ食パン1枚を二つに切ったもの。卵とミルクに十分浸されたことがわかる黄色地と焦げ目。そこからバターのいい匂いが立ち上がっている。だが・・・忘れたのか、パウダーシュガーがかかっていない。
          パスタヒロ10 
          卵焼きのよう
          パスタヒロ11 お
          耳とカリカリ感
          パスタヒロ12 
      メイプルシロップをかける
      
ナイフとフォークを使ってガブリと行くと、十分に滲み込んだ新鮮な卵黄とミルク、それに焦げたバターの香りが、柔らかなデニッシュ生地からじゅわりと来た。表面のカリカリ感と中のプルルン感がいい感触。きれいな味わい。

続いてメイプルシロップをかけると、黄金のツヤとともに味わいも甘みが加算され、フツーに美味い。卵液に浸されたデニッシュ生地はまるで出し巻き卵のような食感で、「究極」は大げさとしても、「小極」として一つの売りにはなると思う。
          パスタヒロ13 
          たまらない

スープ、サラダ、自家製ハムは可もなく不可もなし、と言ったところ。山田宏巳がどこまでかかわっているのか不明だが、調べてみたら、この店はあのお好み焼き「ぼてぢゅう」の系列店だった。うむ。
          パスタヒロ⑥ 
          甘めの卵スープ
          パスタヒロ⑦ 
          グリーンサラダ
          パスタヒロ⑨ 
          自家製ハム

気がつくと、あっという間にテーブルとカウンター席がほぼ一杯になっていた。女性客が多い。そこそこに美味しく、そこそこにオシャレな「今どきのカフェレストラン」だと思えば、そう小腹も立たない。それどころか小腹を満たすにはいい店だと思う。ところで、天才シェフはどこに向かっているんだろう?

本日の大金言。

彼は昔の彼ならず。そう言ったのは太宰治。彼女も昔の彼女ならず。猫だって昔の猫ではない。人間は堕落する、堕落するのが人間、そう言ったのは坂口安吾。人間稼業も楽ではない。



                 パスタヒロ15
 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR