デパ地下の「鶏めしおにぎり」

 たまにデパ地下めぐりをしないと、頭がクラクラしてくる。ほとんどビョーキ。東京・日本橋高島屋が特に好みだが、上野松坂屋も縄張り(と勝手に言ってます)である。よたよた犬の縄張りめぐり。
          吉野鶏めし④ 
        デパ地下は宝の山?

絵画展を観た後に、ちょいと寄ってみた。九州フェアの真っ最中。すると、いい匂いが鼻腔をくすぐった。「吉野鶏めし」の実演販売が行われていた。大分・吉野地方に伝わる郷土料理で、「吉野鶏めし保存会」によるもの。全国のデパートなどで人気を呼んでいる。東京駅や日本橋「えび寿」などでも見かけたことがある。
          吉野鶏めし② 
          おおおの誘惑

さっそく「おにぎり3個入り」(税込み463円)を買い求めた。ウマズイめんくい村に持ち帰って、夕飯の一品にすることにした。

白ワインと枝豆などを用意し、村民2号とゴッドマザーが笑顔で待ち構えていた。イヤな予感・・・。
           吉野鶏めし⑤ 
          ささやかな夕飯
          吉野鶏めし⑥ 
          吉野鶏めし

「あら、大分のおにぎりだって? 美味そうだねえ。生きててよかったよ」
「なんで3個しか買ってこないのよ。一人3個として9個必要でしょ」
「鶏めしだからトリっこになるよ、こりゃ。ぐっひっひ」
「グルメ漫画の『美味しんぼ』でも紹介されたほどの逸品だよ」

くちばしのつつきあい。だが、ひと口食べた瞬間、全員が「うんめえ」となった。うんめえ共同体。
          吉野鶏めし⑧ 
          どないでっか?

ゴボウと地鶏を醤油と砂糖などで甘辛煮して、それを米と一緒に二度炊きしたもの。地鶏の出汁が効いていて、旨味が何とも言えない。米のもっちり感とゴボウと地鶏が融合している。絶妙な旨さだと思う。
          吉野鶏めし12 
          ガブリと行け
          吉野鶏めし11 
          鶏肉とゴボウ

「鶏の甘い脂がいい具合ににじみ出ていて、米が飴色につややか。さすが村長、いい買い物をしたわね」
「やっぱり一個じゃ足んないよ。今度はいつ行くんだい? 今度はちゃんと9個買ってくるんだよ」
「お金は?」
「アタシの年金はアテにしないでおくれ。デーサービスでいっぱいいっぱいだよ」
          吉野鶏めし14 
          桃色ため息

ゴッドマザーの食欲が何故かこのところ増加している。村に来る前はほとんど何も食べない日々が続いていたのに。10メートルも歩けないのに、口と食欲はよく動くようになってきた。その分、村長は沈黙するのみ。

本日の大金言。

「吉野鶏めし保存会」は地元のおばさんたちが1988年(昭和64年)に立ち上げ、会社化した。当時の平松守彦知事が提唱した「一村一品運動」に連動したもの。地域振興のアイデアとしては素晴らしいものだった。当時、オバタリアン現象も話題になったが、こっちのおばさんたちは地域を活性化した。




                  吉野鶏めし15 



意外な場所の「カニチャーハン」

 ゴッドマザーがウマズイめんくい村に移住して、はや4週間ほどになる。小さな老犬「なぐ」(メス15才)も一緒。
          なぐ① 
          なぐ、でごわす

どうしたわけか、移住してきたら、老犬の方はどんどん元気になって、庭や公園などを走り回ってはウンチをしている。まるで自分がまだ生きていることを確認しているように。4週間前まではヨボヨボしていたのに。別人、いや別犬になってしまった。こんなことがあっていいのか?

と、近況を書いたところで、そのなぐ婆のフィラリア予防注射のため、久しぶりに上州の「実家」までポンコツ車を飛ばした。行きつけの動物病院へ。1時間ほどの待ち時間で目的を終えた。
          シノワ6 
          かような場所に

ここからが本題。桐生かみどり市でランチを取ることにした。どこに行こうか迷った。ふと村民2号が「シノワはどう?」。「うーん、いいね。久しぶりだな」と村長。

「中華厨房 シノワ」は桐生市の隣り、みどり市大間々町にある中華料理店で、数年前に何度か食べに行ったことがある。かような場所に、と驚くほどの本格的な広東料理の店。しかもシャレている。空っ風の上州らしからぬ(失礼)の垢ぬけした店構え。
          シノワ① 
          かような店
          シノワ② 
          いい雰囲気

「蟹肉炒飯(カニ肉チャーハン)」(税別850円)を頼むことにした。ここでチャーハンを食べるのは初めて。村民2号は「あんかけ五目焼きそば」(同800円)。
          シノワ③ 
          メニューの一部

取り皿が二つずつ置かれ、さらにフォークとスプーンと箸まで丁寧に置かれた。うむ。

そのすぐ後に「蟹肉炒飯」がやって来た。待ち時間は6~7分ほど。あまりの速さに、「久しぶりに来たけど、これはハズレか?」という思いが一瞬よぎった。すぐに続いて「あんかけ五目焼きそば」も。
          シノワ⑤ 
          カニチャーハン
          シノワ⑧  
          五目あんかけ焼きそば

これが間違いだった。鮮やかなレタスと卵、それに上海蟹肉がつややかな炒飯の合間に散りばめられていた。一見、ライスにはパラパラ感が少ないように見えたが、最初の一口で、やられてしまった。
          シノワ⑥ 
          当たりか?

塩味が濃くもなく薄くもなく、絶妙という言葉が思わず出てしまった。牡蠣油なのか、別の何かなのか、隠し味がわからない。まさに旨みという言葉が一粒一粒に滲み込んでいる炒飯で、横浜中華街の炒飯の名店「同發(どうはつ)」とよく似た味わい。ボリュームも不足はない。パラパラ感も絶妙だった。それ以外に言葉が見つからない。
          シノワ⑨ 
          驚きの旨み
          シノワ⑦ 
          レタスとカニ
          シノワ10  
          名チャーハン!

プロの料理人がここにいる。こんな場所にいる(失礼)。

「あんかけ五目焼きそば」も気持ち味が濃い目だが、美味。調べてみたら、店は20年ほどの歴史で、店主は横浜中華街の名店で修業したようだ。食後にコーヒーが付いてきた。満足感に包まれる。BGMがなぜかハワイアンなのが、不可解だが。
          シノワ2 
          言葉はいらない

「確かデザートの杏仁豆腐も美味かったわ。食べたいけど、予算がない。今回はあきらめるわ。ゴッドマザーも連れてきたいけど、クルマに乗るのは嫌だって言うかもしれないわ。なぐは元気だけど、ゴッドマザーはすぐに眩暈(めまい)がするって言うから」

「じゃあ、我々だけで来るしかない。実家とお墓の掃除もたまにしに来なきゃならないしな」

「目的はそれだけ?」

「バレたか。上州食いまくりも悪くはない」

「付ける薬がないわ・・・」


本日の大金言。

意外な場所に星がある。ミシュランの星ではないが、中華料理の星。まさかの横浜中華街の飛び地、とも言える。






                   シノワ5 



本場の「鰹塩タタキ」と「鰹めし」

 四国上陸のもう一つの目的が「鰹(かつお)のタタキ」、である。本場・高知市内を歩くと、あちこちに「鰹タタキ」のメニュー板が見える。クジラやウツボのタタキなどもあるが、土佐の本命はやはり鰹、だと思う。比較的安いというのも心強い。

秋の戻りガツオが脂が乗って一番おいしいと言われるが、春のこの時期の上りガツオも幾分さっぱりしているが、本場物はひと味、いやふた味ほど違うはず。数時間前から頭の中は鰹とビールがぐるぐる泳いでいる。
          はりまや橋 
          はりまや橋の夜

はりまや橋近くの安ホテルに荷物を置いて、外に出る。すでに夕闇。どこか黒潮の匂いがする。坂本龍馬の影も伸びている・・・気がする。アーケード商店街周辺をウロウロ、帯屋町を行ったり来たり。店構えなどから、鰹料理の店数軒を値踏みする。

その中で、地元客が次々と入っていく居酒屋に目星を付けた。たまにハズレることもあるが、長年培ったセンサーがピコピコ。それが「土佐の居酒屋 一本釣り」だった。たまたま出てきたオヤジに聞いてみると、「ここがこのあたりじゃ一番だよ。あんた、いい勘してるよ」。
          一本釣り 
          センサーがピコピコ

階段を上って二階へ。広い座敷とテーブル席。ほぼ満員だった。隣の団体は高歌放吟状態。よく言えば土佐いごっそうの活気。こう来なくっちゃ。
          一本釣り② 
          みんな食べたい
          一本釣り① 
          メニューの一部

すぐにビールを頼み、「本日のおすすめ」の「鰹塩タタキ」(税込み980円)をまずは頼んだ。元気のいいお姉ちゃんスタッフがバタバタと走る。「ちょっとうるさいわね。でも、これが土佐なのね」と村民2号がうなずく。
          一本釣り10 
          黒潮の活気

この「鰹塩タタキ」が予想通り絶品だった。醤油ダレよりも塩、がおすすめ・・・メニューにそう書いてあった。

「塩タタキは土佐の漁港から直送の鰹でないとダメなんですよ。鮮度が違います。それをワラで炙って、冷水で〆る。それを分厚く切って、ニンニクで食べるんです。これが本場の食べ方です。まあ食べてごらんなさい」(高知出身の編集者)
          一本釣り2  
          塩タタキに限る

その言葉を思い出した。上りガツオは5切れだが、一切れの厚さが2センチ近くある。表面の焼き加減と中の赤身の鮮やかさ。薄っすらと脂が乗っていて、ひと目でスグレモノだとわかった。見た目からして、いつもスーパーなどで買うものとは明らかに違う。
          一本釣り⑤ 
          わさびとニンニク
          一本釣り1 
          厚みと藻塩

薄切りのニンニクが豪快に置かれ、藻塩とワサビが小さな山を作っていた。それを付けて口中へ。つい目を閉じて黒潮を想う、絶妙な美味さ。この脂の乗りで上りガツオとは・・・と思ってしまった。鮮度のいい旨みと甘み、柔らかな肉質。ニンニクと塩とワサビが一体となって、怒涛の寄り。これでこの美味さなら、戻りガツオは? こちらも戻り客になりたいぜよ。
          一本釣り⑧ 
          柔らかな美味
          一本釣り⑦ 
          たまりませぬ

隣りの客のクシャミが気になったが、酒がすすんでくると、気にならなくなった。地酒を頼み、肴をつついていると、あっという間に時計の針が9時を回っていた。

村民2号が「おむすび」(2個380円)、村長が「鰹めし」(500円)で〆ることにした。

「おむすびは想像よりずいぶんデカいわ。土佐サイズってとこかな。鮭と梅干しだけど、結構うまい。土佐が好きになって来たわ」
          一本釣り12 
          鰹めしで〆
          一本釣り14 
          煮汁のめし
          一本釣り15 
          鰹がドカドカ

鰹めしは漁師の賄い飯(まかないめし)だと思うけど、カツオの甘辛煮が生姜が効いていて悪くない。ご飯もその煮汁で炊いたもの。もう少し甘さを押さえた方が好みだが。でもおこげがいいね。海苔と万能ねぎもいい。だけど、腹がきついぜよ。ギブアップ。龍馬といい弥太郎といい、あのバイタリティーはこのあたりから来てるのかな。でも、だんだん腹が立ってきた。板垣退助も土佐藩だった」

「わあ~もう打ち止め。会津の足軽の末裔の血が騒いできたのよ。戊辰戦争の恨みなんて言わないでよ。白旗上げたんだから。早く会計しましょ。ホテルに戻りガツオしましょ」

何が薩長土肥だ、官軍だ。テロリストの詐欺集団じゃないか~」

そう大声でわめくつもりが、なぜか声にならなかった。勝てば官軍、負ければ賊軍。ぐやじい。トホホ・・・。

本日の大金言。

鰹は止まった瞬間がそのまま死である。鰹のように生き、カツオのように死ぬ。鰹のタタキが美味いのは、その死生観が舌の上で交錯するからかもしれない。冷凍したら味が一枚落ちるのも、きっとそのせいだ。鰹は黒潮のナマに限る。




                  一本釣り16

道後温泉の「わっぱ弁当」

 道後温泉に浸かって旅の疲れやあれこれを落とそうと、愛媛・松山へ。今回テーブルに乗せるのは、道後商店街の名物「坊ちゃん団子」・・・ではない。元祖の店「つぼや菓子舗」にも行ったが、食指が動かなかった。観光用に見えたことも一因かもなあ。
          道後温泉本館4 
          ああ道後温泉本館

道後温泉周辺はいい町並みで、中心に位置する道後温泉本館には、赴任中の夏目漱石も毎日のように通っていたようだ。ノイローゼ気質の漱石を源泉が癒したのかもしれない・・・いけねえ、脱線しそうになっちまった。
           
その本館の温泉に浸かる前に食べたランチを書くつもりだった。遅いランチ。商店街の一角の足元に木の案内板がさり気なく置かれていた。「IRORI」と書かれ、ふと見ると、何やらモダンな和風の世界。細い石畳のアプローチが続いていた。それが「サムライダイニング 炉(いろり)」だった。降り続いていた小雨はすでに治まっていた。
          イロリ① 
          おおおの看板

今どきの和のモダンの延長線上にある店だろうな。そう思いながら、メニューを見ると、「わっぱ弁当」(880円=税込み)とあり、もう一つの鯛めしの文字が。まさか、あの鯛めしが? 手ごろな舌代に少し心が動いた。

黒い板塀と敷石が続く細いアプローチを先客の女性が行く後ろ姿もよかった。ついヨロヨロ・・・現金なものである。
          イロリ1 
          細いアプローチの先

この鯛めし入りのわっぱ弁当が当たりだった。店の造りが凝っていて、躙り口(にじりぐち)をくぐると、囲炉裏のテーブルがいくつかあり、グラビアに出てきそうなモダンな和の世界が広がっていた。照明を効果的に落としていて、外国人観光客が喜びそうな凝った造り。BGMはなぜか「スタンド・バイ・ミー」。
          イロリ③ 
          グラビアの世界?
          イロリ2 
          メニューの一部

「今どきモダン」も捨てたものではない。注文してから10分ほどで、「わっぱ弁当」がやってきた。昆布出汁のよく効いたお吸い物付き。それをまずはひと口。うま味。「これは案外イケるわ」と辛口の村民2号もうなずく。
          イロリ④ 
          凝ってまんなあ
          イロリ⑤ 
          おおおの中身

わっぱ飯は鯛の刺身を使った宇和島の鯛めしではなく、薄味の炊き込みご飯。鯛の身は多くはないが、昆布出汁が効いていて、まずまずの味わい。
          イロリ⑥ 
          めっけもん?
          イロリ3 
          鯛の炊き込み
          イロリ⑧ 
          地鶏のから揚げ
          イロリ10 
          キッシュさ~ん
          イロリ⑨ 
          練り物の赤シャツ?

具がバラエティーに富んでいて、こだわりが見て取れた。地鶏の半熟ゆで卵、地鶏のから揚げ、キッシュ、豆のサラダ、それに練り物、さつまいもまで。うむ。

「この値段を考えると、これは予想以上ね。ボリュームもちょうどいい。女性を意識した造りだわ」
「調べてみたら、松山を中心にした飲食グループ、サムライダイニングの新しい店のようだ。今どきの外側だけの店かと思ったけど、中身もかなりレベルが高い。デザートまで付いていて、その白玉のきな粉和えも美味。これで880円なら、満足だな」
          イロリ12 
          当たり、でおました

「坊ちゃん団子を食べなくてよかった?」
「いや、やっぱり温泉に浸かってから、坊ちゃん団子を買いに行く。外面だけで判断してはいけない。そう思い直したよ」

「結局、安上がりじゃなくなるわね」
「ノイローゼになるよりマシじゃないかな」

「はいはい、またその手ね。理屈は後からついてくる」
「その手は食わぬ、ではなく、その手は食えってこともある」
「バッカみたい・・・」

本日の大金言。

愛媛の鯛めしは二通りあり、宇和島は刺身を使い、タレも醤油ベース。もう一つは鯛の炊き込みご飯。どちらも舌代は安くはない。同時に二つを楽しもうとすれば、夏目漱石(旧千円札)が何枚も必要になる。ちと苦しいかな。




                  イロリ11 



「炙り〆鯖の棒寿司」の夜

 今回テーブルに乗せるのは鯖寿司(さばずし)、である。ただの鯖寿司ではない。

炙り〆鯖(あぶりしめさば)の棒寿司・・・形容詞が二つも付く。四国・高松市の料理屋で見つけたもの。地元のオッサンから教えてもらった情報を頼りに、日本一長いアーケード商店街をぶらりと散策しながら、ようやくたどり着いた。磨屋町の一角。
          ひら井① 
          父帰りたい?

すっかり日が暮れていて、「酒とめしの ひら井」の看板と白地の暖簾が灯りで浮かんでいた。いい風情だが、どこか今どきのモダンな和の世界。鯖寿司と言えば、京都の「末廣」や「いづ重」があまりに有名だが、その歴史の浸みこんだ店構えとは比べようがない。つまりは今どき。
          ひら井 
          いい店構え

だが、地元のオッサンのせっかくの情報。それにパッと見にはいい料理屋。ビジネスマンや旅行者が好みそうな店構えで、中に入ると、モダンな和の世界そのもの。BGMもモダンジャズ。嫌いな世界ではない。

生ビールと地酒の特別純米「大瀬戸」(1合890円)をまず頼んだ。ここで村民2号が「サラダを食べたい」と第一声。「自家製ギョーザ」(税込み500円)と「旬野菜の玉葱ドレッシングサラダ」(同680円)をひとまず注文。


          ひら井④ 
          メニューの一部
          ひら井⑤ 
          秀逸なサラダ
          ひら井⑥ 
          自家製ギョーザやで

このサラダがボリュームといい、鮮度といい、文句のつけようのないものだった。高松の料理のレベルはかなりのものと確信した。ギョーザも小ぶりだが8個もあり、絶品とまでは言えないが、まずまずの美味さ。
          ひら井2 
          おおの安さ

店に入った時から気になっていた炙り〆鯖の棒寿司」(同1280円)を頼んだ。一匹丸ごと使った鯛めしも食べたかったが、予算の関係で断念。

この「炙り〆鯖の棒寿司」が舌代を考えると、想定を超えていた。
          ひら井⑦ 
          ヨダレが出かかる

全部で8切れ。酢で軽く〆られた鯖は厚みが十分にあり、表面が炙(あぶ)られている。見るからに脂も乗っている。だし醤油につけて食べると、鯖の甘みと酢飯の甘みが押し寄せてきた。

酢飯は柔らかめで、もう少し固めの方が好きだが、悪くはない。

味わいの深みという点で、京都の名店の鯖寿司とは横綱と小結ほどの違いはあるが、1280円という安さを考えると、これは特筆ものだと思う。大雑把にいうと、京都の半分以下の舌代。満足度は五分の三くらい。
          ひら井⑧ 
          この厚み
          ひら井10 
          ガブッと行け
          ひら井⑨ 
          醤油の存在

この店は昭和59年(1984年)高松を拠点に産声を上げ、今では神戸にも店を広げていることもわかった。

「それなりにいい雰囲気で、それなりにいい料理を食べ、それなりに財布も軽くなる。高松の夜に乾杯だわ」

「高松はあの菊池寛の出身地でもある。近くには菊池寛通りもあるんだ。天下の文藝春秋社は元々は彼が作ったもの。又吉も恩田陸も彼がいなかったら、誕生していなかったかもしれないぞ」

「ベッキーだって、あそこまでいじめられないで済んだってこともあるわよ」
          ひら井② 
          地酒が進む

「菊池寛の偉大さを想いながら、鯖寿司を食べるってのも悪くないな」

「父帰る。父帰らない・・・」

「父と乳はコインの裏表。乳も帰って来てほしい・・・」

「くっだらない! そんなことしか言えないの? 村長を〆鯖にしたくなってきたわ」

低レベルのチチ・・・いやオチになってしまった。申し訳ない・・・。

本日の大金言。

瀬戸内海を要する香川県は美味しいものの産地。さぬきうどんばかりではなく、魚介類の宝庫でもある。菊池寛ばかりでなく、空海や平賀源内、宮武外骨もこの風土から生まれている。




                  ひら井4 





プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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